「あしたのジョー」ちばてつやさん死去 87歳 満州引き揚げ・飢えの体験が名作に「我々は戦争しない」 文化勲章も受章
「あしたのジョー」や「おれは鉄兵」など数々のヒット作を手掛けた漫画家のちばてつやさんが亡くなりました。87歳でした。
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1956年にデビューしたちばてつやさん。おととしには、漫画家として初めてとなる文化勲章を受章しました。
ちばてつやさん
「先輩も後輩も新人たちも、みんな喜んでくれたんで、とてもありがたいし嬉しいです」
「立て、立つんだジョー!」
1968年に連載が始まり、数々の名台詞を残したボクシング漫画『あしたのジョー』。
「燃えつきた…真っ白な灰に」
主人公・矢吹丈の永遠のライバル・力石徹が過酷な減量の末、決戦にのぞむこの表情について、ちばさんは生前、こう語っていました。
ちばてつやさん
「お腹が空いたっていうのはどういう状況なのか、自分でもわかる。そういう人たちの表情だとか、どういうふうにやつれていくかというのも。カサカサになるんですよね、目がギョロギョロしてカサカサになっていく。そういう状況を見てましたから、覚えてますからね」
幼少期、中国東北部にあった満州で過ごしたちばさん。終戦直前、ソ連の満州侵攻で「略奪」や「飢え」に苦しみながら過酷な逃避行を経験したのです。
自身の半生を描いた「ひねもすのたり日記」には…
「こ…こあいよお」
「やめてくださいっ!!」
ちばてつやさん
「喉が渇くと水たまりの水をすすったりなんかしちゃうし、私の身の回りでもそうですが、たくさん死んでいる人を見ました」
豚肉やまんじゅうと引き替えに、日本人の子どもを欲しがる中国人もいたといいます。
「この子たちはどれも私が産んだ子よっ。一人残らずぜんぶ日本に連れて帰りますっ!!」
終戦から1年、引揚船で帰国したちばさん。マンガを通して、平和への思いを伝えてきました。
ちばてつやさん
「戦争っていうのは、大きな、鳴門にある大きな渦があるでしょう、あの渦みたいなもんでね。一度、その渦の中に入ってしまったら、どんなに素晴らしいエンジンを持った船でもそこから抜けられない。戦争は絶対いけない、どんなことがあってもいけない。どんなに苦しい状況に追い込まれても、我々は戦争しないんだっていう凛とした姿勢を」
今年の夏まで連載を続けたちばさん。去年の園遊会では両陛下と交流し、こう話していました。
ちばてつやさん
「私は戦争体験もしてるんで、戦争の悲惨さとか、引き揚げた時の本当につらかったことの話を漫画に描いて、若い人たちに読んでもらうように頑張ってますという話をしました」
ちばさんの葬儀は家族葬で行われたということです。