ふんわりとしていながらもじゅわっとした舌触りの「ムース」。
甘みが強いというよりもあっさりさっぱりといった感想を抱くデザートですが、似たような食べ物に「ババロア」や「パンナコッタ」があります。
これらにはどのような違いがあるのでしょうか。
そこでここでは、「ムース」がどのようなお菓子なのかはもちろん、その他の食べ物との相違点についても解説します。
「ムース」とは
まずは「ムース」がどのような食べ物なのか見てみましょう。
「ムース」はこんな食べ物
泡立てた生クリームと卵白に、味付けや彩りとなる果物のピューレやチョコレートなどを加えることで出来上がるのが「ムース」です。
ゼラチンを使用せずに固める事もありますが、レシピによっては加えることもあります。
加えずに作った場合、ふわふわとした口当たりが柔らかい食感で、口の中に入れると自然に溶ける事もあります。
「ムース」の意味
ムースは、フランス語で「泡」を意味する“mousse”から来ています。
その食感が泡のようだ、と例えられたことから来たようです。
料理にされることもある「ムース」
洋菓子と一種とされる「ムース」ですが、時に料理となることもあります。
その際は、生クリームではなく魚介類や野菜類といった食材をミキサーにかけたものが使用されることも。
前菜として、冷製と温製の両方のパターンがあります。
「ババロア」との違い
似たような洋菓子として「ババロア」がありますが、どのような点で違いがあるのでしょうか。
「ババロア」とは
「ババロア」は、牛乳や卵そして砂糖で作ったアングレーズソースにゼラチンと生クリームを加えて冷やし固めたスイーツとなります。
ゼラチンを使用して固めることもあり、滑らかでありながら弾力のあるぷるぷるとした食感になります。
その名前は、バイエルン王国というかつてドイツ南部にあった王国から来ています。
この国の貴族のためにシェフが作ったことに由来しているともされています。
ムースとババロアの違い
ムースも「ババロア」は用いている食材がほとんど同じであったり、作り手たちが長い歴史の中で作り方を試行錯誤してきた結果、明確な違いが無いともいわれる食べ物となってしまいました。
それでも、あえて違いを上げるとしたら、ババロアの場合ゼラチンを使うことがほとんど必須に近いのに対して、ムースは場合によって用いるといった具合に必須の食材ではない点にあるといえます。
また、ババロアは基本的にアングレーズソースを用意するというのもムースとの違いといえます。
「パンナコッタ」との違い
ムースと似た洋菓子として、「パンナコッタ」が挙げられることもあります。
では、両者にはどのような違いがあげられるのでしょうか。
「パンナコッタ」とは
「パンナコッタ」は、温めた生クリームに砂糖と牛乳そしてゼラチンを加えたものを冷やすことで出来上がります。
ムースとパンナコッタの違い
ムースが泡立てた生クリームを使用するのに対し、「パンナコッタ」は泡立てていない生クリームを温めて作ります。
「パンナコッタ」はゼラチンで固めますので、ゼラチンを使わずに作ったムースとは食感も大きく変わってきます。
また、ムースがフランス語由来なのに対して、「パンナコッタ」はイタリア語から来ているという違いがあります。
イタリア語で “panna cotta” と表記する「パンナコッタ」は、 “panna” がクリームを “cotta” は加熱を意味しますので「加熱したクリーム」という意味になります。
まとめ
「ムース」は、泡状の生クリームや卵白から作られる洋菓子です。
その由来は、フランス語で「泡」を意味する“mousse”から来ています。
「ババロア」や「パンナコッタ」が似た洋菓子としてあげられる事もあります。
特に「ムース」と「ババロア」は長い歴史の中でそれぞれ試行錯誤されてきた事で、明確な違いは無いともいわれています。
結果、作り手が「ムース」と言えば「ムース」、「ババロア」と言えば「ババロア」となるなんて言われることもあります。