「六日の菖蒲 十日の菊」とはどんな意味?菖蒲と菊なのには何の理由があるの?

2023-03-30 02:30

機会に遅れて役に立たないことを「六日の菖蒲(あやめ) 十日の菊」と言います。
これらはチャンスを逃してしまった際の表現として使用されます。
しかし、なぜそれを「六日の菖蒲 十日の菊」と言うのでしょうか?

今回はそれら「六日の菖蒲 十日の菊」について解説します。
ここでは特に菖蒲や菊との関係についても説明します。

「六日の菖蒲 十日の菊」とは

まずは「六日の菖蒲 十日の菊」という言葉を見ていきましょう。

「六日の菖蒲 十日の菊」の意味

「六日の菖蒲 十日の菊」とは機会に遅れて役に立たないことの例えです。

チャンスを逃してしまって役に立たないことの例えとなります。
これらは今更になってでは意味がないというニュアンスを含む表現の1つとなっています。

なお、これらは単に「六日の菖蒲」「十日の菊」とも表現されます。

「六日の菖蒲 十日の菊」の由来

「六日の菖蒲 十日の菊」はそれぞれの節句が語源となります。
その節句に間に合わないという様子から来ている言葉です。

「菖蒲」は5月5日の端午の節句に必要なものです。
「菊」は9月9日の重陽の節句に必要なものとなります。

そのため、5月6日に菖蒲があっても間に合いません。
同じく9月10日に菊があっても間に合いません。

それら時機がずれることによって役に立たなくなってしまう様子から来たのが「六日の菖蒲 十日の菊」となります。

端午の節句の菖蒲、重陽の節句の菊の関係

次に「六日の菖蒲 十日の菊」にある菖蒲と菊の関係を見ていきましょう。

端午の節句はなぜ菖蒲?

端午の節句は中国から伝わってきた風習とされています。
中国では毎年5月5日になると薬狩りをするという行事が行われていたそうです。

その際、菖蒲を軒に葺いたり、薬玉にして酒や湯に浸したりしていたのだとか。
その後、薬狩りは衰退し、端午の節句という言葉だけが残ったとされています。ちょうよう

そのため、日本でも端午の節句には菖蒲を用意することがあるわけです。
転じて「端午の節句=菖蒲」という印象が残ったのだとか。

重陽(ちょうよう)の節句は菊のお祭り

重陽の節句も中国から伝わった風習とされています。
中国では毎年9月9日になると無病息災や長寿を願う行事が行われていたようです。

その際、菊のお酒を飲んだり、栗ご飯を食べたりしていたのだとか。
これらは五節句を締めくくる最後の行事として盛大に開催されていたとされています。

その後、祭事としては衰退し、重陽の節句という言葉だけが残ったと考えられています。
そのため、日本でも重陽の節句には菊を用意することがあるのです。

転じて「重陽の節句=菊」という印象が残ったわけです。

「六日の菖蒲 十日の菊」の類義語

最後に「六日の菖蒲 十日の菊」の類義語を見ていきましょう。
「六日の菖蒲 十日の菊」の類義語には「後の祭り」「夏炉冬扇」などがあります。

後の祭り

「後の祭り」は時機を逸してどうにもならないことの例えです。
悔やんでも取り返しがつかないことの例えとしても使用されます。

これらは軽い意味でも重い意味でも使用される言葉です。
中でも単に遅れてしまって役立たないことを言う点が「六日の菖蒲 十日の菊」と共通しています。

夏炉冬扇

「夏炉冬扇」は時期外れで役に立たないものの例えとなります。
特定の機会やチャンスを失ったことで無用の長物となってしまったことを言う四字熟語となっています。

事実、夏に暖炉は必要なく、冬に扇子は必要ありません。
このように時期がずれていることで役に立たないことを言います。
それらの点が「六日の菖蒲 十日の菊」と酷似しているのではないでしょうか。

まとめ

「六日の菖蒲 十日の菊」は時機がずれていることによって、役に立たなくなっていることを言ったことわざです。
これらはそれぞれ端午の節句と重陽の節句に関係した言葉とされています。

これらはどちらも中国からきた文化に影響された言葉です。
今では端午の節句も重陽の節句もあまり重んじられていない風習ですが、そこから来た言葉があることは覚えておきましょう。

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