「桃李言わざれども下自ずから蹊を成す」とはどんな意味?その由来・成り立ちは?

2023-04-03 02:30

徳のある人には黙っていても自然と慕ってくれる人が集まることを「桃李言わざれども下自ずから蹊を成す」と言います。
これらは魅力のある者には惹かれる人が集まることを言った言葉です。

今回はそれら「桃李言わざれども下自ずから蹊を成す(とうりものいわざれどもしたおのずからみちをなす)」という言葉について解説します。
特にここではその意味だけではなく由来や語源などについても説明します。

「桃李言わざれども下自ずから蹊を成す」とは

まずは「桃李言わざれども下自ずから蹊を成す」の意味について見てみましょう。

「桃李言わざれども下自ずから蹊を成す」とも

「桃李言わざれども下自ずから蹊を成す」とは、徳のある人には黙っていても慕う人が自然と集まるということの例えです。

事実、桃の木や李の気には何も言わなくても花や実に惹かれた人が集まります。
気づけば自然と木の下に道ができているものです。

それらの様子を表現したのがこの言葉となります。
近年では徳だけでなく、魅力のある人には惹かれる人が自然と集まるという意味でも使用されます。

「成蹊」は略した表現

「桃李言わざれども下自ずから蹊を成す」は略した形で「成蹊」と表現されることもあります。

どちらの表現も同じ意味となるので、大きな違いはありません。
しかし、長い表現なのか短い表現なのかで使いやすさも変わるので、自分が用いやすい方を使用しましょう。

なお「桃李言わざれども下自ずから蹊を成す」は言葉自体が長いので、使用する際は短縮したものを選ぶのが良いです。

「桃李言わざれども下自ずから蹊を成す」の由来

では「桃李言わざれども下自ずから蹊を成す」はどこから来た言葉なのでしょうか?

前漢の時代に活躍した人物への評価から?

「桃李言わざれども下自ずから蹊を成す」は「史記-李将軍伝・賛」にある言葉から来ているとされています。

これらは前漢時代に活躍した人物を讃える言葉が出典だそうです。
特に司馬遷が李将軍を評するのに使ったことわざと考えらています。

そこには「諺に曰く、桃李もの言わざれども、下自ずから蹊を成す」という言葉があります。
事実、李将軍は文帝・景帝・武帝の三代に仕えた名将として知られている人物です。

その人物を讃える言葉から「桃李言わざれども下自ずから蹊を成す」が生まれたのではないかと考えられています。

出典の時代には既に使われていた言葉・・・かもしれない

「桃李言わざれども下自ずから蹊を成す」は前漢の時代に活躍した人物への評価から生まれた言葉とされています。

しかし、史記にはこれらの表現に付け加えるように「諺曰」という表記があります。
そのため、史記の時代にはすでにことわざとして使用されていた可能性も考えられるわけです。

そこはもともとあった言葉が転じて、現代のような言葉へと変わっていったと言えるでしょう。
つまりは出典とされる時代よりも前にはすでに似たような言葉があったのではないかと考えられます。

「桃李言わざれども下自ずから蹊を成す」の類義語

最後に「桃李言わざれども下自ずから蹊を成す」の類義語についても見ておきましょう。

徳は孤ならず必ず隣あり

「徳は孤ならず必ず隣あり」とは、徳のある者は孤立することがなく理解し助力してくれる人が必ず現れることの例えです。

これらは「論語-里仁」から来た言葉とされています。
事実、徳のある人の周りには人が集まってくるものです。
特があれば孤立することもありませんし、むしろ理解して助力してくれる人が必ず出てくるはずです。

逆に徳のない人には誰も集まってきません。
そういった人に魅力を感じる人は少ないため、わかってくれる人も助けてくれる人も現れることはありません。

そういった点が「桃李言わざれども下自ずから蹊を成す」に共通しているのではないでしょうか。

まとめ

「桃李言わざれども下自ずから蹊を成す」は徳のある人には黙っていても自然と人が集まってくることの例えです。
事実、優秀な人には良き理解者や助力者が現れるものです。

そういった人の徳について語った言葉が「桃李言わざれども下自ずから蹊を成す」となります。

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