美しい花を咲かせ、プレゼントとしても人気の高い花「アネモネ」。
この「アネモネ」の持つ花言葉をご存知でしょうか?
綺麗な花とは裏腹に、実はネガティブな花言葉となっているんですよ!
そんなネガティブな花言葉は、ギリシア神話に由来しているともされます。
そこでここでは、アネモネがどんな花なのかを解説するとともに、花言葉についても見ていきましょう!
アネモネとは?
まずは、アネモネがどんな花なのか、そしてどんな特徴を有しているのかを見ていきましょう。
基本情報
一般的な呼び名こそアネモネですが、その学名はAnemone coronariaです。
日本における名前、つまり和名としてはボタンイチゲ(牡丹一華)、ハナイチゲ(花一華)、ベニバナオキナグサ(紅花翁草)などがあります。
キンポウゲ科イチリンソウ属の多年草となるアネモネは、春先に花を咲かせる植物です。
その花はバリエーションが豊富で、一重のものから八重咲のもの、色もピンク、白、赤、紫等様々な花があります。
美しいけど毒がある!
美しい花を咲かせ人気のある「アネモネ」ですが、実は全草に「プロトアネモニン」という毒を持っています。
茎を折った時に出る汁に触れると皮膚炎や水疱を引き起こす可能性もあるので、栽培時や生け花などをする際には注意が必要です!
もちろん生のアネモネを口に含んだり食べてもいけません。
アネモネの花言葉は?
ネガティブな要素も多いといわれるアネモネの花言葉。
では、具体的にはどのような花言葉があるのでしょうか?
アネモネ全般の花言葉
アネモネ全体では「はかない恋」「恋の苦しみ」「見捨てられた」「見放された」などネガティブな意味合いの花言葉が多くみられます。
これには、キリシア神話にある伝承が関連しているともされています。
その由来とされる物語に関しては、後ほど詳しく解説いたします。
色別の花言葉
アネモネは、赤や白、ピンクなどの花を咲かせます。
そして、これらの色ごとにも花言葉がありますよ。
赤いアネモネの花言葉
赤いアネモネの花言葉は「君を愛す」です。
情熱の赤で美しい花は、花言葉からして意中の人に贈るには最適ですね!
白いアネモネの花言葉
白いアネモネには「真実」「期待」「希望」といった花言葉があります。
期待や希望など未来に対して明るいイメージを抱かせる花言葉となっていますので、お祝いや門出の席などで贈るのもいいかもしれませんね!
紫色のアネモネの花言葉
紫のアネモネの花言葉は「あなたを信じて待つ」です。
長距離恋愛など、なかなか会うことが難しくなるタイミングで贈るといいのかな?と連想する花言葉となっていますね。
とはいえ、使い方によっては怖く思い印象を与える可能性もありそうです。
ピンクのアネモネの花言葉
ピンクのアネモネには、「待望」という花言葉が与えられています。
待ち望むということで受け身の意味合いが強いですね。
アネモネとギリシア神話の関係
前述の通り、アネモネには、「はかない恋」「恋の苦しみ」「見捨てられた」「見放された」などネガティブな意味合いの花言葉が多くあります。
これは、ギリシア神話にある2つの物語に由来しているとも
ここでは、その2つの物語の概要を紹介します。
西風の神ゼフィロスにまつわる物語
西風の神ゼフィロスは、フローラという花の女神と夫婦でした。
このフローラの侍女の中に、アネモネという美しい妖精がいました。
ゼフィロスは、フローラという妻がありながらもその侍女であるアネモネに恋をしてしまい、ついに2人は恋仲となるのでした。
しかし、この禁断の愛はフローラにバレてしまいました。
そして、自分に仕えるアネモネの不義を知り怒ったフローラにより、アネモネは追放されてしまうのです。
それでもアネモネへの愛を失わなかったゼフィロスは、行く先を失ったアネモネを美しい花へ変えました。
こうして、アネモネは春の風も司るゼフィロスのやさしい春風を真っ先に受けて花を咲かせるようになったのです。
この伝承から、アネモネは「見捨てられた」「見放された」といた花言葉が来たとされています。
アドニスの物語
美の女神アフロディーテ、冥界の神ハーデスの妻ペルセポネの2人の女神から同時に愛されたアドニスという美少年がいました。
アドニスをめぐる女神同士の争いになることを恐れ、神々の世界では裁判が開かれました。
裁判の結果、アドニスは1年の1/3ずつアフロディーテとペルセポネそれぞれの女神と過ごすことを命じられ、残りの1/3は好きに過ごしてよいということになりました。
この時、アドニスは自由な時間の1/3の時間もアフロディーテと過ごすことを選びました。
女神たちに愛されたアドニスは狩猟が大好きな人物だったため、時に自由な時間を使い狩猟に出かけることもありました。
ところがある時、猟にでていた際に、イノシシの突進を受けアドニスは帰らぬ人となってしまいました。
アドニスの死を悲しむアフロディーテは、アドニスから流れ出た血を花に変えました。
その花は、血のような深紅の花を咲かせたのですが、それがアネモネの花だったのです。
この物語から、アネモネには「はかない恋」「恋の苦しみ」といった花言葉も与えられたとされています。
まとめ
春先に美しい花を咲かせるアネモネ。
ところが、その花言葉は意外にもネガティブなものが多くあります。
それは、ギリシア神話にあるなかなか切ない物語から来ているのだとか。