複数の意見が出て揉めることを「すったもんだ」と言います。
これらは結論がまとまらないような状況も指す言葉です。
また、物事がごたついている様子も表す言葉です。
今回はそれら「すったもんだ」について解説します。
ここでは「すったもんだ」の意味はもちろん、その由来や語源についてもまとめます。
「すったもんだ」とは
まずは「すったもんだ」の意味について見てみましょう。
「すったもんだ」の意味
「すったもんだ」とは複数意見が出て揉めることです。
これらは無数の意見が出てまとまらずに争っている様子を意味する言葉です。
中でも物事がごたごたと揉めているような様子も意味します。
それらの意味から、問題が発生してごたついている様子も言うようになったと考えられています。
近年ではトラブルに巻き込まれ慌てている様子を表すこともあるなど、その用途は多種多様です。
「すったもんだ」の用い方・例文
「すったもんだ」は数ある意見がまとまらない場面で使用します。
例えば、会議などでA案~B案さらにはC案~D案、E案~F案など複数の主張が出たとします。
その場合、当然ながらすべての主張を聞き入れているとまとまりません。
それらの状況を指して「会議がすったもんだしている」などのように表現できます。
その他、諸々の問題に見舞われた際に「実はすったもんだあって……」という風に表現することもできます。
それら揉めていること全般を意味するのが「すったもんだ」と言えるでしょう。
中でも事態がもつれて一向に解決に向かわないようなことを言う言葉として使用されます。
「すったもんだ」の由来
では「すったもんだ」はどこから来た言葉なのでしょう?
ここからはそれぞれの由来や語源についてまとめます。
「擦った」と「揉んだ」から来たとする説
「すったもんだ」は動詞の「擦った」と「揉んだ」から来たという説があります。
「擦った」とは擦ることです。
「揉んだ」とは揉むことです。
これらは似た手の動作を重ねることで、あれやこれやの様子を表したものとされています。
そこから転じて「すったもんだ」と表現するようになったのではないかと考えられています。
なお「すった」にはたくさんの漢字表現があるが、ここでは「擦った」が正しい表記と言えるでしょう。
他の「吸った」や「刷った」「摺った」「掏った」「磨った」「擂った」「摩った」「喫った」はどれも違う表現です。
「もんだ」に関しては原則「揉んだ」しかありません。
そこはあくまでも「擦った揉んだ」であることを理解して使用しましょう。
江戸時代の言葉「すったのもじったの」が変化したとする説
「すったもんだ」は江戸時代にあった言葉から来たという説もあります。
実際に江戸時代にはあれこれと勝手を言うことを「すったのもじったの」と言ったそうです。
その「すったのもじったの」が次第に「すったもんだ」と変化したと考えられます。
「すった」はそのまま「擦った」となるが「もじった」は「ねじる」や「ひねる」を意味する「捩った」で表現されます。
これらはいずれも手で形を変える動作を意味するのです。
そこから、もつれてややこしい状態になることを「すったのもじったの⇒すったもんだ」と表現するようになったそうです。
それが現代のようにごたごたと物事がごたついていることなども意味するようになったとされています。
まとめ
「すったもんだ」は複数の意見が出て揉めることを言います。
これらは物事が解決せず、ごたついていることも言います。
近年では諸々の問題があったという意味で「すったもんだしていた」というように使用されるのが特徴です。
これら「すったもんだ」は日常生活でも使用する言葉なので、ぜひ正しく使用できるよう覚えておきましょう。