懐古的であることを言った言葉、それが「レトロ」です。
これは古いものや懐かしいものを意味する言葉となります。
しかし、そもそも「レトロ」はどこから来た言葉なのでしょうか?
今回はそれら「レトロ」がどのような言葉なのかを解説します。
ここではその意味だけでなく成り立ちなども説明します。
「レトロ」とは
まずは「レトロ」の意味について見ていきましょう。
「レトロ」の意味
「レトロ」は懐古的であることを言った言葉です。
主に古いものや懐かしいものを好むことを表現します。
これらは歴史的建造物などの表現としても使用されます。
現代では単に伝統を重んじる保守主義というよりは懐古主義を意味すると言えるでしょう。
「古き良きものを懐かしみ愛好する」というような意味で使用されています。
「レトロ」といわれるもの
「レトロ」は総じて懐かしいもの全般に使用される言葉です。
例えば、日本だと駄菓子屋などが代表的なものとされます。
実際に「レトロ」は「これ」と言った特定のものを意味するのではなく、古いものや懐かしいもの全般を意味するのです。
どこか哀愁のようなものを感じさせるニュアンスもあります。
そのため、人によって「レトロ」の意味合いは変わってくると言えるかもしれません。
廃れた廃校や古びた看板、懐かしいゲームなど「レトロ」は人それぞれです。
そこはノスタルジーを感じさせれば「レトロ」です。
要はその時々の時代を匂わせる物事を「レトロ」と呼ぶと覚えておきましょう。
「レトロ」の由来
では「レトロ」はどこから来た言葉なのでしょうか?
ここからは「レトロ」の成り立ちをまとめます。
英語の「retrospective」から来た言葉
「レトロ」は英語の「retrospective(レトロスペクティブ)」にちなむとされています。
この言葉は懐古的なもの全般に使用される英語となります。
特に英語の「retrospective」は過去に遡ることや過去を振り返ることを意味する言葉です。
事実、英語圏では回顧展などのことを「retrospective」と表現することもあるくらいです。
それらの言葉が省略され「レトロ」という言葉が生まれました。
つまり「レトロ」単体であれば和製英語の一種と言えるかもしれません。
ただし、いつどこから広まったのかについては詳細不明です。
一説によると日本にサブカルチャーが浸透し始めた1980年頃から目にするようになったとされています。
なお、最近ではおもちゃやファッションなどでも使用される他、日常会話としても定着しています。
「クラシック」や「ビンテージ」「アンティーク」との違い
最後に「レトロ」と似たような言葉との違いについて見ていきましょう。
「クラシック」とは
「クラシック」とは古典的であることを言った言葉です。
これらは元来音楽や美術の世界で古典派を意味する言葉でした。
実際に長い年月にわたって模範とされる作品などを言ったそうです。
転じて、果てしない歳月を経たもの全般を「クラシック」と呼ぶようになったのだとか。
昨今は古いものや懐かしいものを総じて「クラシック」と表現することも多くなっています。
ただ、古くは音楽や美術の用語だったことから「レトロ」とは違うものと言えるでしょう。
「ビンテージ」とは
「ビンテージ」とは主にワインなどの年代物のことです。
これらはもともとワインの製造工程を意味する言葉でした。
事実、ブドウの「収穫⇒醸造⇒瓶詰」という一連の作業を言ったようです。
もしくはブドウの年代の記載についても言ったとか。
実際に現地では当たり年のワインのことを「ビンテージワイン」と呼びます。
転じて、渋みや深みを増したものを「ビンテージ」と呼ぶようになったと考えられています。
そこは単に古いことや懐かしいことを言う「レトロ」とは違うのではないでしょうか。
「アンティーク」とは
「アンティーク」とは製造から100年以上経過したものです。
主に何百年も前の美術品や工芸品などを意味する言葉です。
これらはもともとラテン語の「Antiquus(アンティクウス」にちなむと考えられています。
もともとこの言葉は古代ギリシャや古代ローマの遺物を意味する言葉だったのだとか。
そこから転じて「アンティーク」という言葉が広まったとされています。
なお、アメリカでは1934年に制定された通称関税法で定義が指定されています。
つまり、100年以上経ったものに限り「アンティーク」と呼ばれるということです。
そこは単に懐古的であることを意味する「レトロ」とは違います。
まとめ
「レトロ」は古いものや懐かしいものを意味する言葉です。
これは主に懐古的であること全般を言った言葉となります。
ただ、昨今はその意味も幅広くなり、日常会話の至る所で目にすることもあります。
そこは他の言葉との違いも覚えておくと使い分けやすいかもしれません。