大人も子どももわくわくする「おやつ」。
学校の後や仕事の合間に、甘いお菓子でほっこり休憩タイムしている方が多いのではないでしょうか。
そんな馴染み深い言葉である「おやつ」ですが、その語源は昔の時間の単位が関係しているんです!
そこでここでは、「おやつ」という言葉のゆらいについて解説します。
「おやつ」の語源とは?
日本や中国の古来の時刻「十二時辰」
「おやつ」という言葉の由来には、日本や中国で古来使われていた「十二時辰」(じゅうにじしん)という時間の単位が関係しています。
十二時辰は、1日の時間を12に分け、およそ2時間区切りで十二支の呼び名をつけたものです。
1日の始まりの時刻である0時からの2時間を「子(ね)の刻」と呼んだり、昼の12時を「午(うま)の刻」と呼んだりします。
「八つ刻=おやつ」が由来!
おやつの「やつ」は、午後2時から4時までを指す時間「八つ」が由来。
十二時辰を用いていた時代には、午後2時から4時までの間の時間を、「子の刻」から数えて8つ目の刻ということで「八つ刻(やつどき)」と呼んでいました。
この時間帯に食べる間食ということで、「八つ刻」から「おやつ」と呼ぶようになったのです。
現代のおやつの由来は?
なぜ3時になったの?
現代のおやつが3時になったのは、既にお話したように、「八つ刻」のど真ん中だから。
時が流れるにつれ、洋菓子店文明堂のCMなどの影響もあり、だんだんと「3時のおやつ」が定着していきました。
昔は1日2食だったから!
そもそも、「八つ刻」におやつが食べられるようになったのは、江戸時代の人たちが1日2食の食生活をしていたから。
朝ごはんと夕飯の間の空腹を埋めるために、「八つ刻に小昼」といって間食を始めたのがはじまりです。
仕事の合間の空腹を満たすのに、3時が一番丁度いい時間だったんですね。
「おさんじ」といってた時もあった!?
おやつのことを「おさんじ」と呼んでいた時期もあります。
時代が進み、日本で使われる時間の単位が十二時辰から現在のものに変わったころ、3時に食べる間食のことを「おさんじ」と呼ぶようになったようです。
そのころには既に1日3食が定着してきていたので、お昼ごはんと区別する意味合いもあったようです。
しかし、何となく言いにくいですし、前からある言葉「おやつ」の方が馴染み深かったことからあまり定着しなかったようです。
おやつに“お”がつく理由は?
「お八つの太鼓」が由来!
おやつに「お」がつくのは、京阪の本願寺で行われていた「お八つの太鼓」という風習が由来とされます。
当時、本願寺で2時ごろ(八つ刻)に修行の合図として太鼓が叩かれていました。
民衆はそれを親しみと敬意をこめて「お八つの太鼓」と呼び、時間の目安にしていたとされます。
これが転じて、間食の「おやつ」にも「お」がつくようになったのです。
海外でのおやつ事情
ティータイム
イギリスのおやつ文化として有名なのが「アフタヌーンティータイム」。
午後4時頃に、ビスケットやスコーンなどの焼き菓子と一緒に紅茶を飲む習慣です。
家族や友達同士で行うフランクなものは「ミッディ・ティーブレイク」と呼ばれ、私たちがイメージする豪華なアフタヌーンティーは休日やお客さんを招いた時のみ行われるんだとか。
シエスタ
シエスタは、スペインやイタリアなどラテン系の国で広まっている昼休憩の習慣。
昼食後に少しだけ、お昼寝をするのが一般的です。
多くのスペイン人は昼休みに家にいったん帰り、ランチをしたらソファなどで軽く眠るんだとか。
フィーカ
フィーカは、スウェーデンで一般的なおやつ文化。
スウェーデンの学校や会社では、午前10時台と午後3時台に1回ずつおやつを摂るのだとか。
コーヒーにシナモンロールやクッキー、チョコレートボールなどを合わせて、ゆったりと楽しみます。
「おやつ」の語源まとめ!その由来は?
普段何気なく使っている「おやつ」。その由来は、江戸時代の文化が深く影響していました。
「十二時辰」という当時使われていた時刻表現では、現在の午後2時から4時までを「八つ」といっていた事から来ています。
一度、3時に食べる間食ということで「おさんじ」で呼ばれることもあったそうですが、こちらは定着しませんでした。