害になることを意味する言葉、それが「弊害」です。
主に「弊害」は悪い影響を与える物事に使用されます。
ただ、具体的にどのような状況を指すのでしょうか?
今回は「弊害」がどのような言葉なのかを解説します。
併せて似たような言葉との違いも説明します。
「弊害」とは
まずは「弊害」の意味について見ていきましょう。
「弊害」とは
「弊害」とは害になることを意味する言葉です。
また、他者に悪い影響を与える物事の表現として使用されます。
これら「弊害」は「害悪」と言い換えられることもあります。
どちらも特定の物事に対して害となるような事柄を言う言葉なので、併せて覚えておきましょう。
「弊」も「害」も意味は同じ
「弊害」は「弊」と「害」という文字から成り立っています。
どちらも意味は同じで「害をなすもの全般」を指すのが特徴です。
ちなみに「弊」と似たような漢字に「幣」がありますが、これはまた別物となります。
それら「弊」と「幣」の違いについては最後の項目でまとめるので、併せてチェックしてみてください。
また、同じ読みから「併」と間違ってしまうこともあります。
ただ、原則として「併」は両立や両方を意味します。
そのため「弊害」とは完全に別物と覚えておきましょう。
「弊害」の類義語
ここからは「弊害」の類義語について見ていきましょう。
支障
「支障」は差し支えや差し障りのことを言います。
進行の妨げとなるもののことを意味する言葉です。
そのため「弊害」と似たような表現と言えるかもしれません。
ただ、支障には本来「害となる」という意味は含まれていません。
そこは「弊害」とはニュアンスが異なるとも言えるので、状況に応じて使い分けた方が無難です。
障害
「障害」は妨害することや邪魔になるものを言います。
正常な活動の妨げとなる物事や事柄を意味します。
そのため「弊害」と非常に近い表現と言えるでしょう。
そこは「害となる」という意味も含めて近しい熟語と言えます。
不都合
「不都合」は都合が悪いことを言う言葉です。
けしからないことを表す言葉として使用されることもあります。
これら「不都合」は「弊害」の言い換えとしても使用可能です。
ただし、単に都合が良くないことを意味する表現なので、状況次第では使い分けも必要です。
そのため、単に「害をなす」という点では両者で違いもあるかもしれません。
似ているけれど全く意味の異なる漢字「弊」と「幣」
最後に似ているようで異なる「弊」と「幣」についてまとめます。
両者は字面こそ似ているものの別物なので、注意しましょう。
弊害の「弊」を使う熟語は他にも!
「弊」は「弊害」などの熟語で使用されます。
ただし「弊」使用する熟語は他にもあります。
例えば「旧弊」や「語弊」などです。
旧弊
「旧弊」とは古いしきたりによって起こる「弊害」のことです。
昔の習わしを頑固に守っている様子で使用されます。
要は過去の習慣などで発生する害を指した言葉です。
語弊
「語弊」とは表現が適切でないために起こる「弊害」のことです。
誤解を招いたり不快を与えたりすることも意味します。
つまりは言葉が適していないことを指した言葉です。
「幣」は貨幣などで用いる
「弊」と「幣」という漢字はとても似ています。
ただ、これらはまったく別物の漢字です。
「弊」は良くないことや悪いことを意味します。
また、古くなって切れることやボロボロになることも意味します。
その一方「幣」は紙幣や貨幣などお金のことを言う言葉です。
また、ぬさ(神前に捧げる布)や宝物という意味もあります。
そのため、両者はそもそも意味するものがまったく違います。
ちなみに「弊」の上にある「敝」は布を割いてダメにすることを意味する文字となるそうです。
また「弊」の下にある「廾」は両手を意味する文字です。
その他「幣」の下にある「巾」は布を意味するのだとか。
つまり「弊」は両手で布を割いてダメにすることを強調する一方で「幣」は布を切り分けることを強調しているわけです。
まとめ
「弊害」とは他者に対して害をもたらすことを言います。
特に悪い影響を与えることを「弊害」と表現します。
これらは似たような表現もありますが、基本的に「支障」「障害」「不都合」などとはまた別物です。
そこは類義語でもあるものの違うニュアンスもあるので、状況によって使い分けるのがおすすめです。