「水物」にはおおきく3つの意味があり、それぞれ全く異なるものを指して用いられます。
しかし、いずれも「水」に関するものを表現した言葉となっています。
そこでここでは、「水物」があらわすものについて解説します。
「水物」とは
水物には、大きく分けて3つの意味があります。
その3つが何を指すのかを見ていきましょう。
意味①水分の多いもの
水物はひとつに、水分が多いものを指します。
例えば水やジュース類、アルコール類など飲み物です。
これらは水分そのものなので、水物と表現されることがあるわけですね。
また、特に水分の多い果物も水物と呼ばれることがあります。
意味②あてにならないもの
あてにならないものに対しても、水物という表現がされます。
信用できないものや信頼できないものということになります。
特に、相手や対象の様子で変わりやすいものなどが対象となります。
また、運に左右されやすいものも対象に含まれます。
水のように、掴みどころがないものが「水物」と呼ばれるわけです。
意味③水辺に育つ植物
華道の世界では、水辺に育つ植物を指す用語として用いられます。
生け花などで使う花の中でも、特に水辺の植物の事になります。
花菖蒲やガマ、蓮などが水物の植物として挙げられます。
懐石料理における「水物」
懐石料理などでも「水物」という言葉が使われます。
水物がどのような食事を指すのかをここからは見ていきましょう。
懐石料理では「デザート」のこと
懐石料理においての水物は、デザートのことを指します。
食後に出てくる果物や氷菓などが該当します。
これは、「水菓子」とも呼ばれることもあります。
「水物」が出てくるタイミング
懐石料理には流れがあり、その順番にそって1品ずつ提供されます。
店やコースの値段などで品数が変わることもあるので場合によっては省かれることがあることもありますが、
先付・お凌ぎ・お椀と始まり、向付・八寸・焼き物・炊き合わせからご飯・留め碗・香の物と続き、最後に水物が出てきます。
水物は果物や氷菓がメインですが、近年はアイスクリームやシャーベットなどが出てくることもあります。
「水物商売」と「水商売」の違い
「水物」という言葉が付く「水物商売」。
これは「水商売」と混合される事もありますが、水物商売と水商売は大きく異なる点があります。
「水物商売」と「水商売」の共通点
水物商売も、水商売も先の見通しが立ちにくい商売を指すという点は共通しています。
世間の潮流に大きく依存し、収入が不安定な商売を意味します。
意味②であげた、あてにならないものという意味合いから、水物商売と水商売と呼ばれています。
「水商売」は限定的
しかし、水物商売と水商売では対象が若干異なります。
水物商売よりも対象となる範囲が限定的と言えます。
水商売は、主にスナックやバー、クラブやキャバレーなどのような業種に使われます。
まとめ
水物は、大きく3つの意味があります。
1つは、水分を多く含む果物や食べ物、そして飲み物自体の事。
また、あてにならないものなども指す言葉でもあります。
さらに、華道の世界では水辺で育つ植物の事を指しあらわしています。