![日本人トップの西山雄介「オリンピックに行きたかった」設定記録に届かず悔し涙、中盤で転倒のアクシデントも【東京マラソン】](/assets/out/images/jnn/1031729.jpg)
■東京マラソン2024(3日、東京都庁発~東京駅着、42.195㎞)
パリ五輪代表選考レースとなった「東京マラソン」が行われ、男子は世界陸上オレゴン代表の西山雄介(29・トヨタ自動車)が日本人トップ(全体9位)でフィニッシュ。タイムは2時間6分31秒で、MGCファイナルチャレンジ設定記録である2時間5分50秒には41秒届かず。優勝はケニアのB.キプルト。
最終選考レースの3大会(12月福岡、2月大阪、3月東京)を終えて設定記録突破者が現れず。パリ五輪“最後の1枠”はMGC3位の大迫傑(32、Nike)が手にする結果となった。男子は昨年10月のMGCで優勝した小山直城(27、Honda)、2位の赤﨑暁(26、九電工)がすでにパリ五輪代表に内定。レース後、西山は「オリンピックに行きたかった、その一言です」と涙ながらに語った。
この日は快晴でスタート時の気温は6度。今大会、日本男子は五輪内定に向けて「設定記録突破」と「日本人最上位」が求められる重圧の中でのレースとなった。
序盤から海外招待選手がハイペースで先頭集団を形成し、リオ、東京と五輪連覇中のE.キプチョゲ(39・ケニア)らが最初の1kmを2分48秒で刻んだ。日本勢の有力選手は1kmを2分55秒で走ると、少しペースは落ち着き、最初の5kmは14分55秒で通過した。
8kmを過ぎたところで前回日本人トップで日本歴代3位の記録を持つ山下一貴(26、三菱重工)が遅れ始め、苦しそうな表情で前の集団を追う展開に。先頭はケニア勢4人に減り、10km地点では世界記録ペースの28分29秒で通過した。日本勢は29分45秒で設定記録を上回るペースをキープ。折り返しに向かう中、19km過ぎでは西山が木村慎らと共に数人が集団で転倒するアクシデントも。
20km手前では王者・キプチョゲが遅れはじめる。中間地点で設定記録から遅れるペースとなった日本勢は、日本記録保持者の鈴木健吾(28、富士通)が前に出るシーンが増え、ペースアップを模索する。
東京五輪代表の服部勇馬(30、トヨタ自動車)が集団から離れ始め、苦しい展開になると、27kmを過ぎて鈴木が遅れる。28.5㎞を過ぎて西山が前に出て日本人トップに立つ。
30km地点では浦野雄平(26、富士通)が日本勢トップで通過となり、1時間29分14秒で設定記録より10秒早いペースに。
だが西山が33.3㎞を過ぎた銀座交差点付近で浦野を抜き、スピードを上げ、34.5kmでは遅れてきた王者・キプチョゲも抜いてリズムに乗る。35km地点ではほぼ設定記録ペースとなり、勝負の終盤へ向かった。
日本歴代4位の記録を持つ、其田健也(30、JR東日本)が後ろから詰めて、前の西山を追う。残り3kmで設定記録突破が厳しくなる中、西山は最後の力を振り絞る。だが40km以降もスピードを上げられず、設定記録から41秒遅れでフィニッシュ。ゴール後は涙を拭い、悔し涙がこみ上げた。鈴木は終盤ペースが落ち28位(2時間11分19秒)でフィニッシュ。妻の一山麻緒(26)と夫婦での五輪出場は叶わなかった。
レース後、西山は「オリンピックに行きたかったのひと言です。(設定記録突破は)狙えるタイムですし、それだけの練習をしてきましたし、自信もありました。最後の五輪挑戦と決めていたので悔しい」と肩を落とした。
「30km過ぎで(タイム突破は)いけると思ったんですが、35kmから身体が動かなくなって。でもゴールするまであきらめないという気持ちで、必死で5分50秒(の突破)を目指して走りました。自分の挑戦は終わってしまった。本当にオリンピックに行きたかったのひと言です」と涙が止まらなかった。
【東京マラソン・男子結果(上位)】
1位 B・キプルト2時間2分16秒(大会記録更新)
2位 T・キプラガト2時間2分55秒
3位 V・ゲティッチ 2時間4分18秒
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9位 西山雄介 2時間6分31秒
11位 其田健也 2時間6分54秒
12位 細谷恭平 2時間6分55秒
13位 横田俊吾 2時間7分25秒
14位 木村慎 2時間7分34秒
17位 浦野雄平 2時間8分21秒
25位 鈴木健吾 2時間11分19秒