東京五輪バドミントン混合ダブルス銅メダリストの渡辺勇大(26、わたなべ ・ゆうた、BIPROGY)と東野有紗(27、ひがしの・ありさ、BIPROGY)のペアは現在、世界ランキング2位でパリ五輪出場をほぼ手中にしている。“ワタガシ”(“ワタ”なべ と ひ“ガシ”の)の愛称で親しまれるペアは23年10月の杭州アジア大会では準決勝では完全アウェーの中で世界ランク3位の中国ペアに大逆転勝利。決勝で世界ランク1位の中国ペアに敗れたが、この種目において日本勢初の銀メダルを獲得した。前回の21年東京五輪では混合ダブルス日本勢初のメダルとなる銅メダルを獲得し、ここまで混合ダブルスの歴史を切り開いてきた“ワタガシペア”が狙うはパリ五輪で金メダルだ。
【写真を見る】バドミントン・ワタガシペア 必殺技「攻めのレシーブ」でパリ五輪金メダルへ照準
カギは「攻めのレシーブ」
金メダルへ向けては「攻めのレシーブ」が戦局の鍵を握るという。東野選手は「攻めのレシーブが出来ないと上には勝てない」「攻めのレシーブが出来ない試合は大概、負けていると思う」と試合を振り返っている。従来、相手の強打を受ける守りのプレーがレシーブとされるが“攻めの”レシーブについて実際に本人達に再現して貰った。従来、一般的なレシーブは相手の強打を打ち返す状況となるため、山なりの軌道で戻され、相手からすると打ちやすく、攻勢の状況が続いてしまう。
「攻めのレシーブ」の場合は相手の強打をネットに近い位置に打ち返していく。守備から攻撃に転ずる事が出来る状況をもたらす。
東野有紗:
相手に攻撃されている展開だと不利な展開になるがそれを有利な展開に変える攻撃的なレシーブです。
渡辺勇大:
相手も攻めづらい。ネットに近いので相手にもプレッシャーがかかって、ネットに引っかけてしまう事が増えるのが「攻めのレシーブ」にとっては利点。
良い事づくしのプレーではあるが、難易度の高いプレーとなり、すべてのレシーブに使えるわけではない。
渡辺:
そんなに「攻めのレシーブ」を使う場面は多くない。必殺技も良い時に使うから必殺技になるので「攻めのレシーブ」は“ここぞの場面”(東野)先輩がいけるって思った時に使うから効果が出る。
23年7月ジャパンオープンでは世界ランク1位ペアと対した準決勝のここぞの場面で“必殺技”「攻めのレシーブ」を繰り出し、最強中国ペアにストレートで勝利した。「攻めのレシーブ」がパリ五輪金メダルへのカギとなる。
東野:
パリオリンピックでは「攻めのレシーブ」を出して、自分たちの攻撃の展開に繋げられるように頑張っていきたい。
■バドミントンは1年間のパリ五輪選考レースが全英OP、アジア選手権の残り2大会。4月30日時点のランキングをもとに、男女シングルス、男子・女子・混合ダブルスの出場枠が割り当てられる。