韓国やフランスなどで被害が相次いでいる「トコジラミ」。日本でも目撃情報が相次いでいます。就寝時に人の血を吸う機会を狙う厄介なトコジラミ、被害を防ぐには?解説です。
【写真を見る】電車内でも“トコジラミ”目撃情報 就寝中に「吸血」・・・被害から身を守るには?弱点は「光」と「熱」【Nスタ解説】
インバウンド増加が背景に?都内でも相談件数が急増
良原安美キャスター:
SNSへの投稿で、「トコジラミ」が首都圏で目撃されたという情報がありました。「(JR宇都宮線にて)電車のシートにトコジラミが居るのを発見」という投稿がありました。投稿した人は「クモかな?と思って見たらトコジラミだった」と話しています。
ホラン千秋キャスター:
目視でわかるサイズなんですね。
良原キャスター:
意外に目で見てわかる。5~8ミリくらいあります。
この投稿には反響があり、4.7万件の「いいね」がつきました。「あっという間に広がりそう」「電車やバスで座れない…」といったコメントもありました。
JR東日本に確認したところ「事実確認が取れていませんが、害虫が確認された場合、車内くん煙など行い対応していきます」ということです。
海外で被害がたくさん確認されているということですが、実は東京でも相談件数が増えています。2023年の相談件数が350件と、10年前と比べると約3倍になっています。
インバウンドの増加が背景にあるということですが、なぜここまで増えているのでしょうか?そして、私たちはどういうふうに対処していけばいいのでしょうか?
トコジラミはカメムシ目に属しています。体長は5~8ミリ前後ということで、ダニよりも大きいです。
ホランキャスター:
8ミリって、結構な…。
元競泳日本代表 松田丈志さん:
1センチ近いということですからね。
良原キャスター:
繁殖力が強いのが特徴で、生涯に200~500個産卵します。約2か月で100~200倍になる。しかも生命力が強いので、血を吸わなくても1年くらい生きる個体もいるということです。
アリと同じぐらいの速度で歩き、跳ねることはないということです。
ホランキャスター:
脳内で再現すればするほど恐ろしくなってきますよね。
日比麻音子キャスター:
かゆくなってきた…。
良原キャスター:
室内のどこに潜んでいるのかというと、注意すべきは特に寝室やソファー。それから、カーテンなどにも潜んでいる可能性があります。就寝中に人間の血を吸うため、昼間潜んでいるというわけです。
刺されるとどうなるのか?実は、一度刺されただけではかゆくならないそうですが、数回繰り返し刺されると抗体ができてアレルギー反応が起き、赤く腫れたりかゆくなったりします。
対処法としては、市販や皮膚科で処方されたかゆみ止め薬や、腫れを抑える薬などを使うといいということです。
従来の殺虫剤が効かない“スーパートコジラミ”が増加?
では、近年どうしてこんなに増加しているのか?実は、トコジラミが進化しているということなんです。
どんな進化かというと、従来の殺虫剤が効かない、通称“スーパートコジラミ”が2~3年前から増加しているといいます。
トコジラミの生態に詳しい南九州大学の新谷喜紀教授によると「従来のピレスロイド系の殺虫剤に対し耐性を持つ、通称“スーパートコジラミ”が増えている」ということです。これまでの殺虫剤では駆除ができないことが増えてしまっているというわけです。
虫ケア用品最大手メーカーのアース製薬が、スーパートコジラミにも効く駆除剤を開発して、2023年に販売が始まりました。問い合わせも増えているということです。薬局などで買い求めることができるということでした。
普段できる対策は?トコジラミは明るいところや熱が苦手!
良原キャスター:
それでは私たちは、どんなふうにトコジラミに対処していけばいいのか?海外に旅行に行った際の対処についてまとめてみました。
まず、宿泊先に着いたら、一旦荷物をバスルームに置いてください。というのも、バスルームはトコジラミが滑りやすく、潜みづらい場所ということです。
逆にクローゼットなどに潜みやすいので、着いたら荷物をバスルームに置いて、部屋の点検をするといいということです。
そして寝るとき・夜に刺されてしまうことが多いと思いますが、ポイントとして、電気をつけっぱなしにするといいということです。つらいですが、トコジラミは明るいところが苦手な夜行性なので、明るくすると刺されるリスクは減る。アイマスクなどで対応するというのは、一つの手かもしれません。
ホランキャスター:
旅行先という話ですけれども、もう日本にも東京にもいるということを考えると、普段から毎日電気つけっぱなしで寝ることもできないですから、いざというときのために…。
元競泳日本代表 松田丈志さん:
自宅だと家の中を清潔にする、こまめに掃除をするしかないのかなと思います。ただ、潜みやすいところが寝室やソファーなので、普段掃除しづらい場所じゃないですか。そこにいるというのがちょっと怖いですね。
日比キャスター:
ちょうど新生活で、お引っ越しで家具を解体するとか、ちょっと模様替えしたいというときに噛まれたケースもあったみたいなので、気をつけたいですが…。
良原キャスター:
対処法を紹介します。
たとえば海外通販などで洋服を購入した際、袋に入れて密封させて約1時間天日干し、またはドライヤーでビニール袋の上から当ててあげるといいということです。というのも、トコジラミは熱が弱点なので、40~50度の熱処理が有効ということでした。
ホランキャスター:
じゃあ布団乾燥機とかでもいいんですね。定期的にやります。
日比キャスター:
それしかできない。