「値上げの波」「働き方の変化」の中で迎えた入社式 目立った新入社員の初任給の大幅アップ 一方で氷河期世代や高齢者は「格差」も【news23】

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2024-04-02 15:58

4月1日を迎え、商品の値上げや働き方の制度など変わるものが相次ぐ中、各社で入社式が行われました。中には新入社員にサプライズで賃上げを発表した企業もでるなど、若い世代への賃上げを行う企業が続々と出ている一方で、「格差」を感じる世代も。

【写真を見る】「値上げの波」「働き方の変化」の中で迎えた入社式 目立った新入社員の初任給の大幅アップ 一方で氷河期世代や高齢者は「格差」も【news23】

“値上げ”に“働き方”どう変わる? 今月1日から新年度

今月1日の夜、都内では花見を楽しむ人たちの姿がありました。
新年度で何を気にしているか聞いてみると…

会社員
「マイナス金利(解除)が一番気になっちゃう。家を買おうとしていて、どう影響出てくるのかが全然想像ができないので、心配という感じです」

会社員
「モノの値段が高くなるので、そこは結構大変だなと思います。配送料とかも上がるって聞くし」

頭を悩ます“値上げの波”。
帝国データバンクによると、4月に値上げされる食品は2806品目で、6か月ぶりに2000品目を超える見通しです。

また新たな制度も始まります。一般のドライバーが自家用車を使って有料で人を運ぶ日本版のライドシェアが解禁されました。

さらに、今月1日から、運送業と建設業、医師の3つの業種で、時間外労働の上限規制が始まり、2024年問題への対応が課題となります。

各地で入社式 新入社員にサプライズ

そして1日、多くの企業では入社式が行われました。JALグループの新入社員にサプライズでメッセージを送ったのは…

ロサンゼルス・ドジャース 大谷翔平選手
「30歳の節目の年に、新たな舞台で新たな挑戦を続けます。お互いこれからも新しい世界に向かって飛び続けて、どんなときも前向きに明るく元気な未来を目指して頑張りましょう」

また、ソニーグループでは、人気バンド「緑黄色社会」が新入社員にエールを送りました。

緑黄色社会 長屋晴子さん
「皆さん、入社おめでとうございます。キラキラをワクワクをこれから、ぜひ探し続けていってほしいなと思います」

その新入社員の給与、人材獲得の競争の激化などから、初任給を大幅に引き上げる企業が相次いでいます。ソニーグループでは、今年7月の支給分から1万円の引き上げ。

新入社員
「働く上で、自身のやる気にも繋がりますし、いまおかれたところで満足せず、次のステージにのぼれるよう、頑張っていきたいと思います」

また福岡銀行では賃上げを入行式で突然発表。新入行員たちを驚かせました。

福岡銀行 五島久 頭取
「7月から4万5000円引き上げ、(月給を)26万円とします」

新入行員
「とても嬉しいので、その給料アップに見合った働きができるといいなって考えています。K-POPが好きなので、そこのライブの遠征費などに使っていきたいなと思っております」

初任給アップ相次ぐも…世代間で「格差」 高齢者は「負担増」も

小川彩佳キャスター:
経済担当の片山さん、かなり新入社員に対しては景気のいい発表がありましたね

TBS報道局経済部 片山薫デスク:
すごいですよね。賃上げの初任給のアップ率はすごくてですね、例えば半導体製造装置の大手の、「東京エレクトロン」は4割近く、前の年より8万5500円初任給を上げると。さらに、餃子の王将の「王将フードサービス」は23%、プラス5万2000円。さらに証券大手の「野村ホールディングス」は、全体の賃上げは3%だそうなんですけれども、特に入社3年目までは平均で16%と、どこも大幅に引き上げているんですよね。やはり人材獲得というのが一番の目的らしく、若い世代に集中して賃上げをしているということです。

小川彩佳キャスター:
大盤振る舞いというところですけれども、これは、でも一部の大手企業に限られた話なのでしょうか?

TBS報道局経済部 片山薫デスク:
そうでもなさそうで、中小も含めたシンクタンクの調査があるんですが、約7割の企業が、初任給を去年引き上げたそうです。今年も多分それぐらいいくんじゃないかと言われています。ただちょっと課題もあってですね、「世代間格差」と言うんですけど、例えば新入社員とか若手社員は今、非常に上がりやすいんですけれども、一方でやっぱ40代~50代半ばの就職氷河期世代だった世代は、今でもあんまり賃上げの恩恵を受けていないんじゃないかと言われています」

小川彩佳キャスター:
氷河期世代の方?

藤森祥平キャスター:
しわ寄せ、しわ寄せ!我々はかなりきついよ。

TBS報道局経済部 片山薫デスク:
なかなか上がるような感じってのはないですよね。若手中心になるっていうのが一つです。
もう一つは賃上げの恩恵を受けにくいのは高齢者なんですけれども、負担増が多いです。例えば公的年金の支給額っていうのは、前の年度より2.7%上がるんですけれど、実はこれ物価の上昇率には追いついていません。むしろこれより上回らないような設定をされています。
さらに、医療保険というのも後期高齢者の分は、一部の211万円以上の収入の方に関しては上がる。さらに介護保険料が上がる自治体も多いので、ちょっと高齢者全体でも厳しい春になりそうだなと。

小川彩佳キャスター:
ただこうした団塊の世代の方々、そして氷河期世代、団塊ジュニアの方々ですね。こうした方々が恩恵を感じられるようにならないと経済の好循環というのは、動いていかないですよね。

TBS報道局経済部 片山薫デスク:
全体で上がらないといけないですよね。

×