富士山で発生した「スラッシュ雪崩」と呼ばれる現象。気温が上がって解けた雪の上に、雨が降り続いたことなどで発生したということです。そして、長野県でも、大雨の影響で8人が一時孤立状態となりました。列島を襲った「春の嵐」、10日以降の天気はどうなるのでしょうか?
【写真を見る】満開の桜を直撃“春の嵐” 富士山で「スラッシュ雪崩」発生 長野では8人が一時孤立も… 今後は寒暖差に要注意【news23】
関東などで春の嵐 工事現場では足場が崩れる
傘が意味をなさないほどの強い雨と風。お台場を訪れていた家族は…
母親
「お台場の恐竜博に行こうと思ってきたんですけど、すごい天気で」
「もう飛ばされそう、あぁ!」
子ども
「もうダメ、お父さんつかんでないとダメだと思う」
横浜市では9日午前、最大瞬間風速25.8メートルを観測。荒れた天気は、通勤時間帯を直撃しました。風にあおられて転倒したのか、立ち上がれなくなってしまった女性の姿も。低気圧などの影響で、東海や関東を中心に大荒れの天気となりました。
川崎市の工事現場では、足場が大きく崩れ、電柱を壊したうえ、電線に引っかかってしまう事態に。けが人はいませんでしたが、付近の住宅では停電が発生しました。
近隣住民
「瞬間的なものすごい音がしました。停電して、しばらくブレーカーが落ちたのかな、と思ったらそうでもなくて。隣の家も同じ状況だったので」
富士山では「スラッシュ雪崩」が発生
春の嵐の影響は、こんなところにも。富士山の大沢川を勢いよく流れ出る、大量の土砂。これは「スラッシュ雪崩」と呼ばれる現象です。
防災科学研究所 山口悟 上席研究員
「雪と水が混じって流れているものを『スラッシュ雪崩』といいます。雪の中に非常に多量の水が溜まって、水と雪がぐちゃぐちゃになった状態。それが流れることにより、途中で土砂を巻き込んでどんどん大きくなり流れる」
約2時間後には、下流の静岡県富士宮市のカメラでも捉えていました。
防災科学研究所・山口悟 上席研究員
「スラッシュ雪崩は、基本的に雪と水が混じることにより起きるので、まさに気温が高くなって急激に雪解けが進んだり、今回のように、多量の雨が引き金になると言われています。過去にも3月~4月に大きなスラッシュ雪崩が起きていますので、富士山ではよく起こる現象だと言えます」
一方、長野県松本市では、土砂が道路をふさいだため、日帰り温泉施設の利用者とスタッフ8人が一時、孤立状態となりました。その後、8人は徒歩で避難したということで、けが人はなく、建物への被害もありませんでした。
温泉を利用しようとして来た人
「こんな状態になっていると思わなくて残念です」
桜を直撃“花散らしの雨”
春の嵐は、桜の花も散らしました。
入学式をむかえた高校生
「桜が散ってて少し残念でしたけど、キレイだったから良かったです」
上野公園では、高校の入学式当日だという家族が、桜を背景に記念撮影。また、夜の目黒川沿いでは、夜桜を楽しむ人達の姿がありました。
20代女性
「風がすごくて、だから桜は全部散ってるかなと思ったけど、まだ生き残ってた」
「寒いです。でも、ここから気合で」
「これからラーメン行くから」
40代女性
「激嵐でした。頭ボーボーです。朝より寒いです、朝はもっと暖かかった」
これから注意が必要なのが、気温の変化です。
國本未華 気象予報士
「10日朝は全国的に冷え込みが強まりそうですね。例えば東京で言いますと、9日朝と比べて10日朝は10℃ぐらい下がって一気に7℃ぐらいまでの冷え込みになりそうですね。週末には西日本・東日本だけではなく、北日本でも20℃くらいになる、そんな陽気が予想されています。短いスパンで気温が大きく変わりそうです。体調管理にはくれぐれもお気をつけください」