牛から猫へ初感染した「鳥インフルエンザ」 無殺菌の生乳を介して感染か 米国

2024-05-22 06:00

米国の農場で牛が「鳥インフルエンザ」にかかり、直後に猫も感染して死亡しました。生乳を飲んだことによる感染とみられますが、米国発の「哺乳類同士の感染」発生に、当局は危機感を強めています。

牛と猫が「鳥インフルエンザ」感染

牧場の牛と猫

画像はイメージです

2024年3月半ば、米国テキサス州北部の農場の牛たちに原因不明の病気が発生し、感染が広がっていきました。

しかも数日後にはそこに暮らす猫にも、涙や鼻水を流す、その場をグルグルとまわるなどの症状が出始め、その後猫たちは次々に死亡しました。

「米国疾病予防管理センター」(CDC)は、この農場で飼育されていた10数匹の飼い猫が、伝染性の高い「鳥インフルエンザ」によって死んだと発表しています。猫たちはこの農場でとれた、殺菌されていない生乳を飲んで、牛からウィルスに感染したとみられています。

鳥インフルエンザは、2021年末に初めて米国に侵入し、その後鳥類からキツネ、アライグマ、ポッサム、スカンク、アザラシ、ヒョウ、クマ、ヤマザラシ、ヤマネコなどの哺乳類へと感染を広げています。

「牛の感染」は米国初

治療を受ける牛

画像はイメージです

3月25日に米国農務省は、牛に鳥インフルエンザの感染が初めて確認されたと報告しました。カンザス州とテキサス州の数ヵ所で感染を確認したほか、農場から運搬された牛を通じてミシガン州とオハイオ州でもこの病気が発生しました。

農場労働者1人が牛との接触によってウィルスに感染し、発病しました。しかしこれ以外のヒトへの感染は起きていません。世界的にも鳥インフルエンザが人間に感染した例はわずか数件だけです。このうち鳥でなく哺乳類から感染したのは、これまで1件だけでした。

当局は米国民に対し、低温殺菌牛乳には感染の心配はないと断言しています。食品医薬品局は大規模な乳製品の検査を実施していて、現時点でウィルスは検出されていません。

テキサス州北部の酪農場で死んだ飼い猫は、農家が危険に気づかず汚染された牛乳を与えてしまったために起きた不幸な出来事でした。

鳥インフルエンザにかかった牛は濃いシロップ状の乳を出しますが、この症状は初期の段階ではそれほど明らかではないようです。しかも感染が広まるスピードが速く、最初に具合が悪くなった牛が発見されてからわずか1日後に、猫にも症状が出ているそうです。

「哺乳類同士の感染」に危惧の声

牧場の猫

画像はイメージです

3月21日にこの農場で採取した牛乳のサンプルと、死亡した猫2匹の遺体がアイオワ州立大学の研究室に運ばれました。検査の結果、猫はA型インフルエンザウィルスに感染していたことが確認されました。

飼い猫は病気の鳥と接触すると感染しやすくなりますが、牛からの感染例はこれまでに報告されていませんでした。この牛と猫には共通のA型インフルエンザウィルスが検出されていることから、研究者らは「同じ起源による感染」と考えています。

「猫がインフルエンザで死んだ鳥に接触したことで感染した可能性も否定できないが、牛乳にウィルスが含まれていて猫がそれを飲んだことが確認されているので、牛からの感染によるものと推察できるでしょう」と病理学者Eric Burrough氏をリーダーとする研究チームは発表しています。

鳥インフルエンザの蔓延を防ぐため、今後の調査に期待したいところです。ただ現時点で明確なのは、猫も人間も「殺菌された牛乳」を飲むほうが安全だということでしょう。

出典:Bird Flu in Raw Cow Milk Has Killed Farm Cats in a Concerning First

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