猫の『お尻がクサイ』!考えられる理由3つ トイレをするたび拭いたほうがいい?

(何だかいつもより、愛猫のお尻がクサイな…)と感じたことはありませんか。猫のお尻がにおうときは、何かしらの原因があるのです。トイレの後は拭いてあげた方がいいのかどうかも、飼い主としては気になるところですね。ここでは、猫の「お尻はクサイ!」と考えられる理由についてご紹介します。

1.肛門嚢のつまりによるもの

耳をかく猫

猫のお尻がクサイ原因のひとつとして、「肛門嚢」の詰まりや炎症が考えられます。肛門嚢というのは、「肛門腺液」を分泌する腺を持つ袋状のもので、肛門の左右にあります。

この分泌液は、正常でも独特な強いにおいを放ちます。分泌液は、排便の際に少しずつ排出されるのですが、稀に分泌液がつまってしまうことがあるのです。肛門嚢がつまっている時や炎症を起こしている時は、床にお尻をこすりつけたり、お尻を気にする素振りを見せるでしょう。

肛門嚢がつまりやすい猫は、破裂してしまう可能性があるので、定期的に絞ってあげる必要があります。肛門嚢(肛門腺)絞りの方法は、ティッシュなどを肛門に当て、肛門の両脇を指で少し下側から斜め上の方向に軽く押すだけです。肛門嚢の内容物が多い場合は、絞る際にそら豆ほどの大きさの袋が触れることもあります。

分泌液のにおいは室内に付着するとなかなか取れないので、お風呂場で行うのがおすすめです。

とはいえ、猫がお尻を触られるのを嫌がったり、うまくできないときは無理をせず、獣医師におまかせしましょう。

また、分泌液の匂いが変わったり、血混じりであったり、肛門嚢を絞ったばかりなのにお尻を気にしたりする場合は、炎症を起こしていることも考えられますので、いつもと違うと感じたら動物病院で診てもらいましょう。

2.甘える際に出す分泌液

後ろ姿の子猫

子猫が母猫に甘える際に、クサイにおいを出すことがあります。これも肛門腺からの分泌液によるものです。母猫に、自分の存在に気づいてもらうために分泌されるのだといわれています。

猫や猫以外の動物において肛門腺分泌液はその独特なにおいによって、個体識別などのコミュニケーションに使われていると考えられていますが、子猫が母猫に、自分の存在に気づいてもらうために分泌されていると考えることができます。

甘えん坊の猫では、成猫になっても子猫気分が抜けず、飼い主に甘える際に分泌してしまう猫がいるのかもしれません。また、興奮したり驚いたときに分泌液が出てしまう猫もいます。

そのような場合は、ペット用ウェットシートなどで拭き取ってあげましょう。衣類や布製品に付着すると、なかなかにおいが取れないので気をつけて下さいね。

3.病気の可能性も

猫のお尻を見る獣医師

下痢や軟便によってお尻周りが汚れてにおう可能性があります。特に長毛種の場合は、被毛に排泄物が付着しやすので注意が必要です。

また、避妊手術をしていないメス猫の場合「子宮蓄膿症」によってもお尻がくさくなることがあります。子宮蓄膿症というのは、子宮に膿がたまってしまう病気です。原因は子宮内膜炎や、細菌感染といわれています。

子宮蓄膿症を起こしている場合は、食欲が落ちたり元気がなくなることがあります。進行してくると、水をよく飲む、嘔吐や下痢、発熱などの症状の他、お腹が膨らむことも。治療が遅れると、命に関わることもあります。

お尻のにおいの他に気になる症状があれば動物病院で診てもらって下さいね。

猫のお尻は拭いた方がいい?

ベッドの上で振り返る猫

猫は自分でお尻の周りを舐めてきれいにしています。そのため、基本的には排泄時にお尻を拭いてあげる必要はありません。無理に拭こうとすると、肛門周りはデリケートなので、傷をつけてしまうことがあります。

もし、下痢や肛門腺の分泌液でにおいが気になる場合は、ぬるま湯に浸したガーゼやペット用ウェットシートで優しく拭いてあげましょう。

また、肥満になると猫自身でのお手入れが行き届かず、お尻周りをきれいにすることができなくなることも。まず肥満にならないことが一番大切ですが、ふくよかな猫ちゃんの場合は、お尻周りが汚れていないか、汚れがついたままになって皮膚炎を起こしていないか、なども気をつけてあげましょう。

まとめ

窓辺の2匹の猫

猫の「お尻がクサイ」場合に考えられる主な理由は、肛門腺の分泌液によるものです。

ただし、においが急に強くなったり、長く続いたり、他に症状が見られたりする場合は病気の可能性があるため、早めに動物病院を受診しましょう。

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