犬と人との「共通感染症」について解説します。重症化する可能性がある病気や、愛犬と接する時の注意点も紹介しますので参考にしてください。
犬と人との「共通感染症」とは?
『人獣共通感染症』という言葉をご存じでしょうか。人獣共通感染症とは、人間と動物(脊椎動物)の間でうつってしまう感染症のことをいいます。
感染症というと野生動物からうつるイメージを持つ方も多いかもしれませんが、私たちにとって最も身近な動物である犬にも人との共通感染症があり、一般家庭内で感染が見られることも珍しいことではありません。
飼い主は正しい知識を身につけて予防に努め、愛犬も自分自身も病気から身を守れるようにしておきましょう。
重症化する恐れがある「共通感染症」
犬と人の共通感染症の中には、感染後に重症化する恐れがある病気も存在します。ここでは、重症化する可能性がある病気をご紹介しますので、チェックしておきましょう。
狂犬病
犬と人の共通感染症の中で、最も知られているのが「狂犬病」でしょう。
狂犬病は犬だけでなく、すべての哺乳類に感染し得る病気です。人間も狂犬病ウイルスを持つ動物に噛まれると傷口から感染してしまいます。
この病気は発症すると治療法がなく、ほぼ100%死に至る恐ろしい病気です。主な症状は精神の錯乱や、体の麻痺、水を怖がる恐水症などがあり、末期になると呼吸困難で死亡します。
大変恐ろしい病気ですが、狂犬病にはワクチンがあり、日本では飼育している犬に接種することが法律で義務付けられています。愛犬には毎年必ず打って予防しましょう。
パスツレラ病
犬や猫に噛まれたり、引っ掻かれて感染するのが「パスツレラ病」です。
約75 %の犬は口の中にパスツレラ菌を保有しているといわれており、免疫力が低下している人が噛まれると発症する「日和見感染」が起きる可能性があります。
主な症状は皮膚の赤みや腫れ、膿がたまるなどですが、傷が深い場合は骨にまで影響があり、高齢者や気管支疾患がある人が感染すると呼吸器にトラブルが起きることもあるようです。
また、まれではありますが「敗血症」などが起きて重症化するケースもありますので、犬に噛まれた場合は注意しましょう。
重症熱性血小板減少症 (SFTS)
「重症熱性血小板減少症(SFTS)」は、ウイルスを持つマダニに噛まれることで感染する病気です。
症状は発熱や神経症状の他、血小板・白血球の減少など。治療は対症療法のみとなり、免疫力が低下している人が感染すると重症化して死に至ることもあります。
散歩の時に犬の体についたマダニが飼い主を噛んで感染する可能性があるため、愛犬にはマダニの予防薬を必ず使用するようにしましょう。
愛犬と接する時の注意点
犬と人、お互いが共通感染症にならないためには、過剰なスキンシップを避けることが大切です。感染症の多くは傷口や粘膜から感染しますので、愛犬とキスをしたり、顔や口を舐めさせるのはやめた方が良いでしょう。
一緒に暮らしていると完全に防ぐことは難しいと思いますが、犬に舐められた部分は石鹸でキレイに洗うなどして対策を取ってください。
もし愛犬に噛まれた場合は、傷が浅くても病院に相談し、必要な処置を受けましょう。感染症は早期治療が肝心です。
まとめ
今回は、犬と人との「共通感染症」について解説しました。
狂犬病やマダニはワクチンや予防薬で防ぐことができますので、飼い主がしっかり予防を行うようにしましょう。また、愛犬の体調に異変を感じたら早めに動物病院で診察を受けることも感染症の予防になります。
飼い主も体調が悪い時には愛犬との触れ合うのは控えめにし、お互いに感染しないよう気をつけましょう。
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