天皇陛下が今月22日からのイギリス訪問を前に、きょう午後、記者会見に臨まれました。そのなかで陛下は「訪問が実現し大変うれしく思う」と述べられました。
「新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により延期されていた私たちの英国訪問が、この度、改めて頂いた御招待により、実現の運びになったことを大変うれしく思っております」
午後4時すぎから、宮殿の石橋の間で記者会見に臨まれた天皇陛下。
22日からの国賓としてのイギリス訪問を前に、「現在の日英両国は、経済、文化、科学技術、教育など、幅広い分野において緊密な協力関係を有しています」とした上で、「その陰には、戦争の傷を癒やすために両国の人々が地道に積み重ねた努力があったことを忘れることはできません」と述べられました。
そして、「日英両国がこれまでに重ねてきた交流の歴史を踏まえながら、友好親善が更に深まることを願っております」と期待を述べられました。
両陛下は2020年に、エリザベス女王から訪問の招待を受けていましたが、コロナ禍で実現しませんでした。陛下はきょうの会見で「御存命中に伺えなかったことが心残りです」と述べられました。
また、がんの治療中であることを公表しているチャールズ国王については、「御病気の御治療中にもかかわらず、私たちをお迎えくださることを大変有り難く思います」と話し、キャサリン皇太子妃についても治療が順調に進み、回復することを祈られました。
1983年から2年4か月間のオックスフォード大留学を振り返り、陛下はイギリス王室との思い出についても触れられました。
エリザベス女王からお茶の招待を受けたことや、王室メンバーとバーベキューをしたこと、チャールズ国王からフライフィッシングを教わり、一緒に釣りを楽しんだものの、2人とも釣れなかったことなどをユーモアを交えて話されました。
また、今回のイギリス訪問で、両陛下がともに留学していたオックスフォード大学を初めて皇后さまとともに訪れることについては、「オックスフォードのマートン・コレッジやベイリオル・コレッジなどを訪れ、市内を散策することを心待ちにしております」と明かされました。