大型犬はその大きさからパワーも強く、簡単に人間を押し倒したり引きずったりできてしまうほどの威力があります。また、日本では圧倒的に小型犬の飼育頭数も多いため、大型犬に襲われたという事故もあちこちで見聞きするため、大型犬を飼っている飼い主さんも気をつけているでしょう。しかし、その気をつけなければという思いが愛犬を力で支配することに向いてしまっているケースも目立つのです。
大型犬が周囲に迷惑をかけないためにとりあえず作る姿勢
大型犬を飼育する飼い主さんの多くは「周囲に迷惑をかけないようにしっかりしつけないと」と思っていると思います。
そのためしつけを頑張っているように見えますが、その方法は「おすわり」「ふせ」「まて」といったようなとりあえずその姿勢を作ることです。
しかしこれではうまくいくはずもなく、実際落ち着いてやり過ごしてほしい場面ほど機能せず「だめ!おすわり!まて!まて!おすわり!」と何回も叫んでいることになっています。
大型犬を悪者にしないためには気持ちを無視したやり方はNG
なぜこのとりあえず姿勢を作る方法がうまくいかないのかというと、単純に気持ちが伴っていないからです。
例えばあなたの目の前に大好きなスイーツや人など、なにか強い興味がある対象があったとします。
本当はすぐにでもそこに行きたいけど「待ちなさい!」と指示され行くことができませんが、その大好きな対象はすぐ目の前にいて近づこうと思えば近づくことができるし、今すぐにでもそうしたい!と思っているとしましょう。
こんな気持ちの状態で「待ちなさい!動かないで!」と言われるのってすごく辛いですし、うずうずして仕方がないですよね。
しかしそんな大好きなものもむしろ日常の一つであり、特別興奮するようなものでもなくスルーすることができるくらい気持ちが落ち着いている状態ならどうでしょうか?
「あー、あれいいよね。まぁだからといってなんでもないけど」くらいの気持ちだったらうずうずすることもないですし、「待ちなさい!」と言われなくてもその場に落ち着いていられるはずです。
これは犬にとっても同じなのですが、多くの人はまずはとりあえずの姿勢を作ることでコントロールできると考えてしまっているため、大事なところで機能せず大型犬のパワーに振り回され最悪被害を出してしまっています。
大型犬をコントロールするのではなく導いてあげよう
大型犬はどうしても力が強いため行動をコントロールしようと躍起になりがちですが、そうではなく気持ちを育ててあげなければ意味がありません。
「大型犬だからしつけをしっかりしないといけない」「コントロールできなければいけない」のではなく、いろんなことを何でも日常のひとつとして落ち着いてやり過ごせるように導いてあげるのです。
そのためには環境を選び整えボディランゲージを読みながらさまざまな積み重ねが大切になってきます。
ですがそれを独自でやるのは非常に難しいですので、そんなときこそボディランゲージを読みポジティブな経験の積み重ねで伝えることができるドッグトレーナーなど、行動のプロにお願いすることが重要です。
まとめ
大型犬はパワーが強いので、その危機感からうまくコントロールしようということに躍起になりがちですがそれではうまくいきません。
大型犬はコントロールして抑え込むのではなく、ひとつひとつのことを日常の一つとしてやり過ごすことができるように、ポジティブな積み重ねで伝え導いていくことが重要なのです。
とりあえずおすわりやフセなどの姿勢を作ればどうにかできると考られてしまいがちですが、それでは気持ちの方は全く伴っていないため心を育て行動に反映していくためにも、プロに早期に相談して予防を含めて助けてもらいましょう。
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