太平洋18の島国や地域のトップらが東京に一斉に集結する「太平洋・島サミット」が、あすから開催されます。何が話し合われるのでしょうか。注目は、この地域でも影響力を強める中国の存在です。
対面で行われるのは、実に6年ぶりとなる「太平洋・島サミット」。多額の経済投資で、この地域で存在感を強めているのが中国です。
上川陽子 外務大臣
「国際社会や地域情勢の変化を踏まえた議論をおこない、従来の絆に加えて、協力関係を一層強化してまいりたい」
「地域情勢の変化」の中で最たるものが中国の影響力の拡大です。
中国はおととし、台湾と断交したソロモン諸島と安全保障協定を締結するなど、この地域での軍事拠点化を進める狙いがあるとみられています。
先週も、習近平国家主席は島しょ国の首脳と相次いで会談し、親密さをアピール。
こうした中国の動きに日本も警戒感を示していて、ある外務省幹部は「安全保障上、この地域がまとまっていることが日本の外交上の利益だ」と話します。
日本は今回、気候変動対策などで連携強化を打ち出し、信頼関係を固め直したい考えです。
そして、もうひとつ注目されるのが福島第一原発の処理水をめぐる問題です。当初、多くの島しょ国は海洋放出に反発していましたが、日本政府が現地をまわり、対話を重ねたことで風向きは変わりつつあります。
ただ、一部の国は依然として懸念を示している中で、どこまで不安を払拭できるのか。日本のリーダーシップと外交力が問われています。