名画「ティファニーで朝食を」で、ヘップバーンと共演して印象に残る演技を見せた猫を覚えていますか?この茶トラ猫が名優「Orangey」です。彼は数々の映画に出演して賞を受け、その存在感と演技力で映画界のスターになったのです。
2度も受賞歴のある名優猫
1950年代から60年代にかけて活躍した映画俳優「Orangey Minerva」は、猫としては唯一「PATSY賞」を2回も受賞した名優です。この賞は動物界のアカデミー賞というべきもので、動物福祉団体の「The American Humane Association」が発表しています。
この茶トラ猫は1950年生まれ。1歳のときに映画「Rhubarb」に出演して、野球チームのオーナー役を演じました。その後、有名な「ティファニーで朝食を(Breakfast at Tiffany’s)」で野良猫役を演じたのは、Orangeyが11歳のときです。
この猫はその後も数多くの作品に出演し、16歳で亡くなるまで、合計7作品で名演技を披露しました。1952年から1958年まで、「Our Miss Brooks」というテレビ番組にもレギュラー出演しています。
Orangeyをトレーニングしたのは、Frank Innさんでした。彼はそのすぐれた能力で、数々の才能ある動物たちの魅力を引き出しています。「名犬ラッシー」の主役Lassieも、彼が調教しました。彼が手がけた動物たちは、あわせて40回以上もPATSY賞を受賞しています。
人の心に響く存在感
映画「Rhubarb」でOrangeyが演じたのは、野良猫のRhubarbです。T.J. Bannerという変人の億万長者からゴルフボールを盗んだRhubarbは、彼と仲良くなりました。
億万長者は死の前にこの猫に財産を残したため、遺産の一部であった弱小野球チームも猫が相続することになりました。不思議なことに、試合の前に選手がこの猫をなでると、チームが連勝するようになったのです。
一方、「ティファニーで朝食を」では、Orangeyはオードリー・ヘップバーン演じる孤独な主人公と心を通わせる、名前のない野良猫に扮しています。ラストシーンでは、空港に向かうタクシーから一度は猫を捨てた彼女ですが、すぐに後悔して大雨の中を探しに戻ります。
どちらの映画も、猫の存在が人間の心に大きな影響を与えるストーリー展開になっています。やはり猫は、人間にとって単なるペット以上の存在なのですね。
やんちゃぶりも伝説に
Orangeyは、撮影中はすばらしい演技を見せるものの、撮影が終わると共演者を噛んだり引っ掻いたりしたといいます。
自分のシーンが撮影されている間は何時間でもセット内に落ち着いているのですが、それが終わると逃げ出してしまうことも多かったようです。だから撮影スタッフは、この猫が脱走しないように出口に番犬を配置していたともいわれています。
この名優猫が亡くなると、Frank Innさんが遺灰を大切に保管しました。そして彼自身が亡くなったとき、これまでトレーニングしたほかの大事な動物たちの灰とともに、ロサンゼルスのForest Lawn Memorial Parkに一緒に埋葬されたのです。
出典:Orangey, the Cat Who Won Hearts in Breakfast at Tiffany's
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