■大相撲名古屋場所・千秋楽(28日、名古屋・ドルフィンズアリーナ)
横綱・照ノ富士(32、伊勢ヶ濱)が優勝決定戦で隆の勝(29、常盤山)を破り、自身10度目の賜杯を手にした。
本割で大関・琴櫻(26、佐渡ケ嶽)に上手出し投げで敗れたが、3敗同士の大一番を制し、最後に横綱の意地をみせた。優勝10回は常ノ花、栃錦、初代・若乃花、北の富士ら歴代の名横綱に並び、史上15人目で白鵬以来となる2桁の大台に。
決定戦の一番は立ち合い隆の勝の当たりを受け止め、もろ差しを許して土俵際に追い込まれたが、上手く右を巻き替えて踏みとどまる。最後は左の上手を取り逆転で寄り切った。
13日目を終えて優勝に王手をかけていた照ノ富士は、前日3敗で追う隆の勝との直接対決に敗れ、V争いは千秋楽へ持ち越しに。この日は、隆の勝が負ければその時点で優勝が決まったが、隆の勝が会心の相撲で大の里(24、二所ノ関)を破り、3敗を死守して逆転優勝に望みをつないでいた。
今場所終盤は照ノ富士が独走状態の中、平幕の美ノ海(31、木瀬)、隆の勝が躍動し優勝争いに加わり、大関・豊昇龍(25、立浪)も3敗で踏みとどまっていたが右股関節を痛めて13日目から休場。
休場明けの照ノ富士は、復活をかけて挑んだ今場所は初日から無傷の10連勝。11日目に大の里に初黒星を喫し、終盤隆の勝の追い上げに苦しむも、決定戦を制し3場所ぶりの優勝を飾った。成績は12勝3敗。