テレビ局には番組を観た視聴者から様々な声が寄せられる。TBSテレビの「視聴者センター」は、こうした声を集約し番組制作の現場にフィードバックさせるのが仕事だ。担当者が寄せられた“声”の一端を紹介する。今回は、気象情報にまつわるご指摘、7月ドラマへの反響、連日放送されるパリ五輪に対するご意見など。
日本各地で暑い毎日が続いています。熱中症への警戒やゲリラ豪雨、雷雨と、情報番組ではかなりのボリュームで天気の話題をお伝えしています。
そんな中、6月の下旬から80件ほどご意見、ご指摘いただいた“地名”があります。
「<今年一番の暑さに 牛久(千葉)36.4℃ 全国今年最高記録>とありましたが、牛久は茨城県ではありませんか?」
実は、「千葉県市原市牛久」には、気象庁の観測所があります。名称は「牛久観測所」ですので、間違いではないのですが…。ご指摘のように、牛久と言えば茨城県牛久市を思い出してもおかしくはありません。
千葉県の牛久を知っている方からも
「牛久といえば茨城です。千葉県市原市にある牛久観測所だという説明がないのでわかりません。」
指摘を受けてか、程なく各局の天気情報で取り上げられる“牛久”は“千葉県市原市”と記載されることが多くなりました。
7月に入り、新しいドラマがそろいました。今クールもたくさんのご意見がきています。
日曜劇場『ブラックペアン シーズン2』は、二宮和也さん演じる主人公が、シーズン1とは別人、という設定に、少々戸惑ったとのご意見も。
「シーズン1、とりわけ主人公の渡海先生のキャラが好きで続編を楽しみにしていましたが、今回主人公が違うということで不安もありつつ拝見しました。第1話はうまく飲み込めず第2話はどうしようかと迷ってしまいました。でも、東城大病院の舞台に戻ると、主人公の天城先生と周りとのやりとりが面白い。手術シーンも迫力満点で、これが見たかった!と夢中になって見ていました。これからの物語にも期待しています。」
火曜ドラマ『西園寺さんは家事をしない』には、おもに女性からの支持のご意見が多く寄せられています。
「西園寺さんに元気をもらっています!リアルタイムでまず視聴、次の日の朝ごはんを食べながら2回目を視聴、通勤時間にSNSでみんなの感想を読みニヤニヤし、晩ごはんを食べながらまた見て1回につき計3回は視聴しています。笑えるし元気をもらえるしポジティブな気持ちになるので最高です!特に松本若菜さんの演技が好きです。」
金曜ドラマ『笑うマトリョーシカ』には、サスペンス調のストーリーが楽しみとのご意見が。
「今クールのドラマの中で一番面白いです。清家を本当に操っているのは誰なのか。今後の展開を楽しみにしています。」
7月から始まったオリンピックの熱戦に寝不足の方も多いことと思います。
スポーツ実況を観る方の中には「こんな風に伝えて欲しい!」と、熱い思いもひときわの方もいらっしゃり、多くの批判的ご意見をいただくことがあります。
オリンピック中継は、「ジャパンコンソーシアム」として、NHKと民放各局が共同で制作・放送しています。実況アナウンサーも共同となるため、ご覧のチャンネルの局のアナウンサーが実況しているとは限りません。しかし、皆さんもそこはしっかり確認されるようで、弊社のアナウンサーの実況が他局で放送されていた時も、たくさんのご意見がちゃんと弊社に届きました。
情報・報道番組で触れるオリンピックについても、様々なご意見が寄せられます。中には、疑問にタイミング良く応えられたことに、好意的ご意見をいただくことも。
「開会式の後、聖火はどうなったのか疑問に思っていました。放送局に聞こうと思っていましたが、『Nスタ』の中継で、昼の姿が紹介されて、“夜になると浮かび上がる”と伝えてくれてスッキリしました。」
8月も繰り広げられる熱戦、現場はどうやったらより感動が伝わるのか、楽しく観ていただけるのか、常に考えて準備しております。温かい声もいただけますと励みになります。
7月にいただいたご意見の中で、とても気になった一つのご要望がこちら。
「アイドルやアーティストのファンネームが多く作られているので『ラヴィット!』にもファンネームがあったら楽しいと思います。出演者が考えたり視聴者から募集したり、何かキャッチーで親しみやすいファンネームができたらさらに面白い番組になると思います。」
昨今の“推し”文化に、番組そのものも入っているんだ、とちょっと励まされるような気がしました。
<執筆者略歴>
浜崎 由佳(はまざき・ゆか)
1995年TBS入社。
ラジオ局、報道局、事業局などを経て、編成考査局。現在カスタマーサクセス室長。
【調査情報デジタル】
1958年創刊のTBSの情報誌「調査情報」を引き継いだデジタル版(TBSメディア総研が発行)で、テレビ、メディア等に関する多彩な論考と情報を掲載。2024年6月、原則土曜日公開・配信のウィークリーマガジンにリニューアル。