■パリオリンピック™ レスリング女子62キロ級 決勝(11日、シャンドマルス・アリーナ )
レスリング女子62キロ級の決勝が行われ、元木咲良(22、育英大学助手)がI.コリアデンコ(25、ウクライナ)に勝利し、金メダルを獲得。日本勢は5日連続での金メダルとなった。
五輪初出場となった元木、父は2000年シドニー五輪男子グレコローマンスタイル63キロ級代表の元木康年、父は五輪のメダルを手にできなかった。
父の夢を叶えるため、準決勝では世界ランク3位のG.ブレン(27、ノルウェー)と対戦、元木は2-7と5点リードされたが第2ピリオド、相手がパワーで押し込んできたところを鮮やかな反り投げ、さらにそこからフォールに持っていき、大逆転勝ちで決勝進出を決めた。
元木は「神様が助けてくれた」と涙ながらに答えて、決勝に向けては「神様は2回は助けてくれないと思うからしっかり勝ちたい」と気合を入れていた。
大一番を前にウォーミングアップエリアで体を動かしていると女子50キロ級銅メダリストの須崎優衣に激励を受け、言葉をかわしていた。決勝は東京五輪銅メダリスト、I.コリアデンコ(25、ウクライナ)と対戦。
第1ピリオド、残り35秒でタックルを決めバックを奪い2点を先制、さらにアンクルホールドから相手をローリングさせて4-1とリードした。
第2ピリオド、開始早々、元木の流れだったが機材トラブルで試合が長い時間止まってしまった。なかなか集中力を維持するには難しい時間となったが、試合が再開されても元木の動きは変わらず、タックルから2点を奪った。確実に得点を重ねて、東京五輪の銅メダリストを圧倒。テクニカルスペリオリティ勝ちで勝利。元木は初出場で金メダルを獲得、日本勢は今大会6個目、5日連続での金メダルとなった。
試合後、元木は「きのう(準決勝)は自分に負けそうになって、それでも神様が助けてくれたのかなと思って、このチャンスは絶対に逃したら二度と来ないと思って、いままでここで頑張るために、頑張ってきたので絶対にここでやりきると思ってマットに立った」と涙を流しながら語った。