中国政府は半導体の材料となるアンチモンを輸出規制の対象にすると発表しました。アメリカなどが強める対中輸出規制への対抗措置とみられます。
中国商務省は15日、レアメタルの一種で半導体の材料となるアンチモンを来月15日から輸出規制の対象にすると発表しました。
中国は、アンチモンの全世界の生産量のうち48%を占めていて、輸出には中国政府の許可が必要になります。
規制の理由について中国政府は、「特定の国や地域を対象にしたものではない」としながらも「いかなる国や地域もこれらの材料を使って中国の国家主権や安全保障を損なうことに反対する」と説明しており、アメリカによる半導体の対中輸出規制や中国企業に対する制裁への対抗措置とみられます。
中国政府はこれまでも、半導体の材料となるゲルマニウムとガリウムのほか、EV=電気自動車の製造に欠かせない黒鉛などを輸出規制の対象としています。
中国としては材料の輸出を規制することで、欧米からの規制に対抗する狙いがあるものとみられます。