熊本県天草市にある「轟の滝」周辺で川遊びをした後、体調不良を訴える人が続出。病院を受診した人は109人にのぼっています。県の研究所などが原因を調べていますが、現段階では特定には至っていません。専門家らの見解は?
【写真を見る】下痢や嘔吐 “川遊びができる観光地”轟の滝 体調不良続出も…原因の特定にはいまだ至らず【news23】
川遊び後に体調不良者続出…原因は
例年たくさんの家族連れが訪れる熊本県天草市にある「轟の滝」。8月13日、その周辺で川遊びをした高校生7人が、嘔吐や下痢の症状を訴え、病院で診察を受けました。
さらに、天草保健所によると他にも同じような症状を訴えている人がいて、これまでに高校生7人を含めて病院を受診した人は109人に上っています。
また、県に直接報告した人も41人いるということです。
感染症の疑いもあるとして県の研究所などが原因を調べていますが、現段階では特定には至っていません。
国際認定山岳医の土井さんは「気温の高さによる菌の繁殖の可能性」を指摘します。
日本山岳会熊本支部 土井理 支部長
「動物のフンや死骸が上から流れてきていて、菌の繁殖たるやかなりの量になっている。これが気温が高いとさらに増えるので、恐らくそういったもので結構、汚染されているんだろうと」
滝の水量の少なさも要因のひとつ?
轟の滝近くの観測地点では連日、猛暑日が続き雨もほとんど降っていませんでした。滝の水量の少なさが要因になっていると見る専門家もいます。
感染症に詳しい順天堂大学大学院 堀賢 教授
「今回は日照りが続いて降雨量が非常に少なかったと。水が流れがよどんで有機物、たんぱく質が腐りやすい状態にあったんじゃないか」
天草市の土木部維持管理課によると、夏場には水量が減るという轟の滝。2024年は例年に比べて水量が特に少なかったといいます。
実際に、2022年撮影された轟の滝と2024年のものを比べると、滝の本数が少なくなっていることが分かります
感染症に詳しい順天堂大学大学院 堀賢 教授
「異常気象によって水がよどんだために(菌の)濃度が普段より高くなって、そこで遊んだ人がそれを飲み込む。あるいは口の中に入る。ないしは、なんらか吸い込むことによって、感染症がたくさんの人に起きた可能性はあります」
地元の人からは”川遊びができる観光地”として知られる「轟の滝」。県は感染源の特定を急ぐとともに、改めて「轟の滝」周辺での川遊びを控えるよう注意を呼びかけています。