猫が声を出さずに鳴くことは「サイレントニャー」と呼ばれていますが、実は人間には聞こえない周波数で鳴いていると考えられています。もともとは母猫と子猫のコミュニケーションで使われており、猫同士にはきちんと聞こえているようです。そんな、人には聞こえない音もキャッチできる聴力のスゴさを3つ解説していきますので、ぜひご覧ください。
1.モスキート音よりはるかに高い音が聞こえる
モスキート音とは、蚊の音のような高音域のことを指します。若い人ほどよく聞こえる音として有名ですね。
これを周波数に換算すると「15,000Hz程度」になりますが、猫が聞き取れる高音は、はるかに上の「約60,000Hz」という驚異的なものです。
さらに、人が聞き取れる高音は「約20,000Hz」と言われていますので、猫は人の3倍ほど高い音を聞き取れていることが分かります。
高い鳴き声を出す「ネズミ」や、超音波を出す「虫」などの狩りが本来得意なのも、聴力が非常に発達しているからなのでしょう。
ちなみに、コウモリやイルカなどの高音の可聴域は猫をも上回っているので、気になった方は調べてみてください。
2.飼い主さんの声や位置を把握できる
猫の耳は「耳介筋(じかいきん)」と呼ばれる筋肉が発達しており、自由自在に操れる耳があるからこそ、音源をキャッチすることが可能です。
ある大学では、この猫の特性をヒントに、飼い主さんをどのように認知しているかの実験を行いました。
別々の場所にある2つのスピーカーを使い、猫に片方のスピーカーから飼い主さんの声を流します。
その直後、もう一方のスピーカーからも飼い主さんの声を流して反応を見るというのが、大まかな実験の流れです。
結果として、飼い主さんの声が聞こえる位置が瞬時に入れ替わったことに、猫は驚いた反応を示しました。
飼い主さんが実際にいなくとも、声だけで位置を把握できるということが明らかになったのです。
3.生活音は上手にシャットアウトできる
モスキート音よりはるかに高い音も聞き取れるため、生活音が気にならないのか疑問を持つ飼い主さんも多いのではないでしょうか。
しかし意外なことに、テレビの音に対してはそれほど気にしておらず、上手にシャットアウトしていると言われています。
むしろ、テレビの画面に映る動きを楽しむ猫もいるほどです。
窓を開けて外にいる鳥のさえずりを聞かせることも、ほどよい刺激になりますが、どんな音でもOKということではありません。
玄関のチャイム音、ドライヤーや掃除機の機械音などは、猫にとっては突発的で苦手な傾向にあるため、ストレスを与えないよう配慮してあげましょう。
まとめ
猫は、人の3倍ほど高い音を聞き取ることができるという、驚くべき聴力の持ち主です。
獲物の位置だけではなく、飼い主さんの声や位置も特定することができ、耳介筋と呼ばれる耳の根元の筋肉は、音源をキャッチすることに役立っています。
さらに、テレビの音はそれほど気にしておらず、上手にシャットアウトしています。
とはいえ、突発的な音は苦手な傾向があるため、できるだけ静かな環境で生活できるよう配慮してください。
猫に秘められた聴力のスゴさを知ることで、さらに適切なコミュニケーションが取れるようになることでしょう。
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