人間にとっては癒しとなる植物でも、猫にとっては毒となり命の危険にさらしてしまうものがあります。普段何気なく飾っていたり栽培していたりする植物もあるため、猫が誤食すると命にかかわる可能性がある「危険な植物」とその理由について知っておきましょう。誤飲した場合の対処法についても解説します。
1.ユリ科の植物
ユリ科の植物(ユリ・スズラン・玉ねぎ・ヒヤシンス・チューリップなど)には花・茎・葉・球根・花粉と全体に毒性があり、花びらを1枚誤食するだけでも死に至る可能性があります。
また、花粉や花瓶の水を舐めてしまうだけでも中毒を起こすケースがあるほど危険性が高いです。
猫が誤って口にした場合は嘔吐などの症状が見られ、最終的に急性腎不全を引き起こし、尿が作られなくなり老廃物が排泄できなくなることで尿毒症の症状があらわれます。
- よだれ(流延)
- 嘔吐
- 多飲多尿
- 食欲不振
- 意識障害
- 痙攣
中毒症状は誤食後1~2時間ほどで現れ6時間程度続きます。ユリ科の植物に限らずですが、誤食が発覚した場合は速やかな対処が必要です。
2.ツツジ科の植物
ツツジ科の植物(レンゲツツジ・サツキ・シャクナゲ)に含まれる「グラヤノトキシン」が障害を引き起こします。摂取量によっては死に至る危険性もあるため注意が必要な植物です。
花だけでなく葉や蜜にも含まれているので口にするリスクが高いです。
- 嘔吐
- 下痢
- よだれ(流延)
- 不整脈
- けいれん
- 昏睡
ツツジ科の植物は育てやすいためガーデニングで楽しんでいる方も多く、私たちのごく身近にあります。
愛猫を危険な目に遭わせないように、そもそも愛猫が物理的に口にできないような対応が必要です。
3.ナス科の植物
私たちの身近にあるナス科の植物(ナス・トマト・ピーマン・ジャガイモ・トウガラシなど)には、害虫から身を守るために「アルカロイド」という成分が含まれています。
この「アルカロイド」は熟した実に含まれるのはごく少量ですが、未熟な実や葉・茎・根に大量に含まれるとされています。
そのため、猫が誤食すると以下の中毒症状があらわれるため注意が必要です。
- 嘔吐
- 下痢
- 呼吸困難
- 麻痺
- 痙攣
- 散瞳(瞳孔が過度に開く)
重症の場合は、麻痺や痙攣といった神経症状によって命を落としてしまう可能性もあります。
4.スミレ科の植物
可愛らしい花をつけるスミレ科の植物(スミレ・パンジーなど)は根茎や球根、種子に毒性のあるサポニンやビオラルチン、グリコサイドといった成分が含まれています。
スミレ科の植物を口にすると以下のような中毒症状を引き起こす可能性があります。
- 嘔吐
- 血便
- 胃腸炎
- 心臓麻痺
スミレ科に限らずですが、植物そのものだけではなく、成分が凝縮されているアロマオイルも危険となりますので注意してください。
誤食してしまった時の対処法
猫にとって危険性の高い植物を誤食してしまうと、自宅ではできる応急処置がない場合がほとんどです。とにかく早期の治療が鍵となるため、誤食が疑われる時は一刻も早く動物病院を受診してください。
長時間治療ができずにいると症状が重症化してしまい、回復の見込みが薄くなります。早期であれば催吐処置や胃内の洗浄なども行い、症状も軽度で済む可能性があります。
受診に際しては、「どの植物をどれだけ食べてしまったのか」「いつ食べたのか」「いつからどのような症状が出ているか」等の情報をあらかじめ電話で連絡しておくと良いでしょう。
まとめ
私たちのごく身近にある植物には、猫にとって命を脅かすものがあります。中でも特に危険性が高いのがユリ科の植物で、植物そのもの以外にも花粉や花瓶の水ですら猫には毒になるので注意が必要です。
また、ツツジ科・ナス科・スミレ科の植物も様々な中毒症状を引き起こします。
危険な植物を誤食して中毒になると、よだれ(流涎)や嘔吐といった症状が見られることが多いので、誤食が疑われる場合は様子見はせず速やかに動物病院を受診してください。
今回挙げさせていただいた植物は一部で、他にも猫が口にしてはいけない植物やものもたくさんあります。万が一口にしてしまったことがわかったら、すぐに動物病院に相談することをおすすめします。
猫にとって毒となる植物は極力遠ざけ、猫が口にしてしまわないようにしましょう。
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