自民党総裁選・過去最多9人の乱戦スタート 各陣営の推薦人“裏金議員”は何人? 政治改革が争点も…裏金で逮捕の議員は雲隠れなのに月129万円の歳費支給【news23】

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2024-09-13 14:41

自民党総裁選が告示され、総勢9人の候補者の顔が並んだポスターも公開。各候補は「党の刷新」を訴えましたが、“政治とカネの問題”に正面から向き合ってくれるのでしょうか。

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自民党総裁選告示“次期総理”は誰に? 過去最多9人が立候補

都内の神社で必勝祈願を行った小泉元環境大臣。

小泉進次郎 元環境大臣(43)
「毎日を大切にひとつひとつを丁寧に、最後は勝利を勝ち取ることができるように、全身全霊で頑張っていきたい」

その約1時間後、高市経済安保担当大臣も同じ場所を参拝しました。今回が5度目の挑戦となる石破元幹事長は…

石破茂 元幹事長(67)
「選挙って、楽観したらそのときから票は減るので、あまり自信やうぬぼれは持ってはいけない」

各々の過ごし方で迎えた告示日の朝。候補者達は、そのまま出陣式に臨みました。

上川陽子 外務大臣(71)
「まさにもうすでに、スタートラインから私は体が乗り出している状況でありまして、気合いが入っております」

河野太郎 デジタル大臣(61)
「見事ラッキーセブン(届け出順が7番目)大当たりを引いていただきました。007 ジェームズ・ボンドのようにしっかり使命を果たしていきたい」

逮捕の“裏金議員”に月129万円の歳費も…国会を欠席し雲隠れ

派閥の裏金事件に端を発し、岸田総理が不出馬を決める事態となった今回の総裁選。一連の事件では、池田佳隆衆院議員が国会議員で唯一、逮捕・起訴されています。

池田議員は、すでに保釈されていますが、国会を欠席したうえ、公の場に一切姿を現さず雲隠れしたまま。

記者
「池田議員の事務所です。今は大きな看板やポスターも外され、シャッターが下りています」

名古屋市の事務所はもぬけの殻。自民党を除名されたものの、今も現職の国会議員である池田議員。毎月129万4000円の歳費と税金のかからない旧文通費100万円、さらに2024年6月には、300万円を超える期末手当まで受け取っています。

池田議員の側近の一人として、ともに活動してきた愛知県議に聞くと…

――池田議員について

愛知県 須崎かん県議
「池田先生、僕、消息分かりません」

――どのくらい前に連絡取ったのが最後か
「全くわかりません、覚えておりません」

街の人からは、裏金問題の解明を求める声も…

女性
「裏金とか、そういうところをはっきりしていただきたい」

男性
「裏金問題もあるから、そういうのがないといいなと。形だけの(総裁)選挙はやってほしくない

裏金問題に正面から向き合う候補者は?

こうした声に新しいリーダーは答えられるのか。12日午後の候補者演説会では「党の刷新」を訴える声が相次ぎました。

高市早苗 経済安保担当大臣(63)
「『Let’s be reborn』ここらあたりで1回、自民党を鍛え直しましょうよ。作り直しましょうよ」

小林鷹之 前経済安保担当大臣(49)
「党改革を断行します。政治資金改革の徹底は当然です。本当の意味で適材適所の人事を断行します」

候補者たちからは、政治と金の問題を受けた発言も目立ちました。

林芳正 官房長官(63)
「政党交付金の使い方を見直して、皆さんがパーティーにそんなに頼らなくていいような配分を実現します」

加藤勝信 元官房長官(68)
「旧文書交通費は公開することとし、未使用部分は国庫への返納を徹底します」

茂木敏充 幹事長(68)
「党の規律や運営体制、財務体制をゼロベースで見直し、政策活動費も廃止します」

論戦が始まった総裁選に、街では…

女性
国民が決めることができない選挙なので、期待はしたいけど裏で決まってしまうから期待はしてないというか、複雑なところ」

男性
「自民党の中で今までやってきたことが崩れて、政策で勝負するしかないのかな。それを我々はじっと見て、正しい方向を、国民が見ていかなくてはならない

各陣営の推薦人“裏金議員”の数に偏り?

藤森祥平キャスター:
裏金問題で逮捕された議員に今も給与や手当が数百万円規模で、ルール上は支給されることになっているのでしょうが、税金から支給されている。

小川彩佳キャスター:
これを疑問視する声が党内から表立って出てこない、というのもまた問題のように感じます。

藤森キャスター:
そんな中、自民党総裁選に過去最多の9人が立候補しています。

出馬するにあたり、自民党国会議員20人の推薦を受けなければなりません。各候補の推薦人の中には、裏金議員も存在しています。

【推薦人に“裏金議員”は何人?】
高市早苗(63):13人
小林鷹之(49):0人
林 芳正(63):0人
小泉進次郎(43):1人
上川陽子(71):1人
加藤勝信(68):4人
河野太郎(61):0人
石破 茂(67):0人
茂木敏充(68):2人

推薦人にいわゆる“裏金議員”が入っていることについて、TBSスペシャルコメンテーター星浩さんは「“裏金議員”にとってみれば総選挙に向けたステップ。推薦人になり疑惑を帳消しにしようとしている。候補者も総裁選の議員票の行方がわからないので、“非公認”など踏み込んだことは言えない。自民党がいかに反省していないか」と話しています。

小川キャスター:
“裏金議員”が推薦人となり候補者を支えている、伊沢さんはこれについてどう感じますか。

QuizKnock CEO 伊沢拓司さん:
制度上は避けられないことだとは思いますが、本来的には「誰が総理にふさわしいか」というのを推薦するための仕組みであるのに、星さんの言ったような背景があるのだとしたら、それは本末転倒ですよね。

あとは(“裏金議員”の)人数差がこれだけあるというのは、「派閥の影響が弱まり…」と言いつつも、まだまだある、ということを感じさせる偏りではあると思います。

以前は消極的だったが…「政策活動費」突然の廃止・公開の主張

藤森キャスター:
そして同じく「政治とカネ」問題の「政策活動費」について。

政策活動費は政党から議員に支払われるもので、使い道公開の義務がない「ブラックボックス」と呼ばれていました。野党からは廃止を求める声もありましたが、2024年2月の衆議院予算委員会で岸田総理は「使途を明らかにすると政治活動に影響が出る」と、自民党は廃止することや公開することには消極的でした。

それでも6月に成立した改正法では、「10年後に領収書公開」にとどまりました。維新の案を盛り込んだ形での成立でした。

ところが、今回の総裁選に突入して、政策活動費について

高市早苗(63):廃止
小泉進次郎(43):廃止
茂木敏充(68):廃止
小林鷹之(49):毎年公開、出来なければ廃止
石破 茂(67):原則公開、廃止も一つの考え方
林 芳正(63):領収書の10年後公開前倒し、廃止もあり得る
加藤勝信(68):原則毎年公開
河野太郎(61):領収書を付けて速やかに公開
上川陽子(71):(政治とカネについて)ルールに則って対応

これについて星浩さんは「与党案をまとめていたのが茂木幹事長で、公明党が求める廃止に反対していた。公明党は“今さら何だよ”とひどく怒っている」と話しています。

伊沢拓司さん:
本当ですね。「なんであのときに出てこなかったんだよ」ということになってしまうと、「やはり口だけなのでは」という疑念を避けられないです。

そうなったとき、「実際、総理になったら本当にしっかりやってください」という制約をつけたいですが、制約をつけるような制度というのはない。逆に言えば、我々の投票行動がそのための縛りや監視の仕組みになっているので、しっかりと我々がやるべきことというのは、「言っていることと、やっていることが、矛盾してないか」。様子を見ながらちゃんと投票行動に変えて規制していきたい、というところです。

小川キャスター:
総裁選では投票することはできませんが、その先の総選挙を見据えて、しっかり注視していくということですね。

伊沢拓司さん:
そういったところでの投票が、彼らにとっての良い縛りになることを期待したいです。

自民党総裁選について「みんなの声」は

NEWS DIGアプリでは『自民党総裁選』について「みんなの声」を募集しました。

Q.自民党次期総裁によって「政治とカネ」改革は実行される?
「必ず実行される」…3.1%
「ある程度実行される」…16.7%
「実行されると思わない」…78.7%
「わからない」…1.5%

※9月12日午後11時09分時点
※統計学的手法に基づく世論調査ではありません
※動画内で紹介したアンケートは13日午前8時で終了しました

==========
<プロフィール>
伊沢拓司 さん
株式会社QuizKnock CEO
東京大学経済学部卒
クイズプレーヤーとして活躍中

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