愛犬を家に迎えた直後ならいざ知らず、だいぶ慣れてきてそれなりの信頼関係も築けてきたと感じている飼い主さんにとって、愛犬に逃げられてしまうというのはかなりショッキングな出来事です。そこで今回は、犬が飼い主から「逃げる」心理について解説します。
犬が飼い主から「逃げる」心理
犬の行動には、必ず理由があります。そして行動の動機には、ポジティブとネガティブの両方の理由が存在します。
これは、飼い主さんが愛犬に近づく様子などを見て、逃げ出す場合も同じです。また、犬は過去の経験から色々なことを学習し、その結果を活かして自分の行動を決めるようになります。
そこで今回は、犬が飼い主から「逃げる」心理について解説します。愛犬が逃げようとした場合、どのような心理になっているのかに気付くための参考になれば幸いです。
1.叱られたくない
特に近づいたりしなくても、飼い主さんから名前を呼ばれただけで逃げ出すようになってしまった場合、飼い主さんが愛犬を叱るときに必ず名前を呼んでいるということが考えられます。残念ながら、愛犬は「名前を呼ばれる=叱られる」と誤解して学習してしまったのです。
愛犬が何かをしてしまった直後に叱れば別ですが、少しでも時間が経ってから叱っても、犬にはなぜ叱られているのかを理解できません。そして叱られるたびに必ず名前を呼ばれていると、自分の名前と叱られるという経験だけが結びつき、深く記憶に残ってしまうのです。
そのため、愛犬を叱るときには決して名前を呼ばないようにする必要があります。また、名前に良い印象を持つまでは、褒めるとき以外は名前を呼ばないようにすると良いでしょう。
2.脅威を感じて恐ろしい
犬は体高が低いため、どんなに身長の低い方でも、犬にとっては巨人のように感じ、脅威に感じてしまいます。
そんな巨人が覆い被さるように頭を撫でようとすると、当然犬はとてつもない恐怖を感じるのです。
そのため、愛犬を撫でたいときは、立ったまま腕を伸ばして覆い被さるように近づくのではなく、愛犬と同じ視線になるようにしゃがみ、下の方から手を伸ばして顎の下や胸などを撫でるようにすると良いでしょう。
3.苦手なことをされそうだから嫌!
飼い主が同じ行動をすると逃げるようになった場合は、その行動が犬にとって「嫌なことをされる」という合図になっていると考えられます。
例えば、引き出しから犬用の爪切りを取り出した、掃除機を取り出した、などです。
また、飼い主の行動ではなく、病院に近づくと逃げ出そうとしたり、毎日歯磨きをする時間になると逃げ出すということもあるでしょう。行動のみならず、行った場所や到着した時間などが、犬にとって過去の嫌な経験を思い出させるサインになっているのです。
4.抱っこされたくない
抱っこしようとすると、愛犬が逃げ出してしまう、というケースもあります。
そもそも犬は、抱かれることに不安を感じていることが多いです。地に足がつかないような不安定な状態で、自由も拘束されてしまうからです。
しかも抱き方によっては、身体に余計な負荷がかかったり不安定感が増したりするため、抱かれることを恐れて逃げ出すようになることもあるのです。
5.遊びに誘いたい♪
素早く逃げ出したと思ったら少し離れたところで飼い主さんをじっと見つめている、または近寄ったり逃げたりを繰り返すという場合は、飼い主を遊びに誘っているのだと考えられます。
そもそも犬は、逃げる動物を見ると狩猟本能が刺激されて追いかけたくなります。
犬同士でもよく追いかけっこをしていると思いますが、飼い主とも追いかけっこをして遊びたいのです。
以前飼い主さんと追いかけっこをして楽しかった経験のある犬は、また一緒に遊びたいというポジティブな理由から逃げることがあります。
愛犬に逃げられてしまう飼い主がすべきこと
ネガティブな理由から逃げ出す犬に対しては、ネガティブな理由を排除することが大切です。
ネガティブな理由の原因となっていた「名前」「動作」「嫌なことをするサイン」「抱き上げる」などの行動を、ポジティブなことに変える工夫をしてみましょう。
先に紹介した「褒めるときだけ名前を呼ぶ」のもこの方法のひとつです。
また、本能的に恐怖を感じてしまうような行動はしない、抱くときにはできるだけ安定感があり楽な姿勢になる抱き方をするというのも大切です。
さらに、苦手なことを我慢できたら必ず褒めることで、苦手なことにも慣れてもらうのも大切です。ほかにも、愛犬が遊ぼうとして逃げ出したときに、一緒に遊んでいる暇がない場合もあるでしょう。そのときは無視して、何も反応せずにそっとしておくと、そのうちに諦めるでしょう。
逃げてしまった犬を捕まえるために、決してやみくもに追いかけてはいけません。犬は追いかけっこをして楽しむだけで、いつまで立っても捕まえられないからです。
逃げてしまった愛犬を捕まえるためには、愛犬に背を向けて反対方向に走り出す、またはしゃがんでポケットからおやつを取り出すといった方法をおすすめします。逃げ出した飼い主さんを愛犬が逆に追いかけてきたり、おやつ欲しさに飼い主さんの元に戻ってきたりするはずです。
まとめ
今回は、犬が飼い主から「逃げる」心理について解説しました。
愛犬を家に迎え入れたばかりのときに、飼い主さんの姿を見て逃げ出すのは仕方がありません。
しかし、ある程度慣れてきたと思っていたのに逃げ出すようになったという場合、飼い主はショックを受けてしまうかもしれません。しかしそれは、飼い主とのこれまでの経験が犬に起こさせた行動の変化であり、しっかりとした関係性が築かれつつある証拠なのです。
愛犬をネガティブな気持ちにさせていることが分かれば、それをポジティブなイメージに書き換えてあげることで、愛犬との関係をより良いものに変えられます。
積極的に愛犬とのコミュニケーションを図り、関係を深めていきましょう。
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