線状降水帯の“半日前”「予測情報の精度について、今年9月までの「的中率」がおよそ10%と、去年の25%程度と比べて大幅に低くなっていることがわかりました。
この結果を受けて、気象庁の森隆志長官は、今年一年を通して、予測情報の発表と線状降水帯が発生した状況を検証する必要があるとの考えを示しました。
気象庁はきょう、線状降水帯の発生をおよそ半日前から予測する情報の精度について、今年5月から9月までの実績を発表しました。
気象庁によりますと、“半日前”予測情報を発表し、その後、線状降水帯が発生した「的中率」は81回中8回、およそ10%で、去年の25%程度と比べて大幅に低くなっています。
一方、“半日前”予測情報を発表しなかったものの、その後、線状降水帯が発生した「見逃し率」は17回中9回、およそ53%で、去年の50%程度とほぼ同じでした。
大雨が毎年、同じような場所で同じような降り方をするわけではないため、一概に比較はできませんが、気象庁の森隆志長官は「今年は(線状降水帯の発生を)当てにくかった何か理由があるのか、シーズン全体を通じて検証する必要がある」と述べました。
また、森長官は、9月下旬に石川県能登地方を襲った豪雨で、線状降水帯の発生を事前に予測できなかったことについて、「見逃しはできるだけ避けたい」としたうえで、雨が比較的少ないとされてきた北陸地方や北日本についても線状降水帯の予測精度を上げる必要があるとの考えを示しました。