衆院選 自民単独過半数割れの可能性 期日前投票スタートも“初めての白票” 東京15区候補者平均35.6歳 若手たちの戦い 勝敗左右する“若者票”の行方は【news23】

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2024-10-17 14:26

今月27日に投開票が行われる衆議院選挙について、JNNが序盤情勢を分析した結果、自民党が単独過半数を割り込む可能性があることがわかりました。選挙結果を左右するカギとなりそうなのが、若い人達の票の行方。平均年齢が35.6歳の東京15区の候補者たちの声は、どう響いたのでしょうか。

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自民党、単独過半数割れの可能性

16日から全国各地で始まった衆議院選挙の期日前投票。続々と有権者が投票に訪れていましたが、中には白票を投じたという声も。

JNNが序盤の情勢を分析した結果、自民党は議席を約30減らし、15年ぶりに衆議院で単独過半数を割り込む可能性があることがわかりました。(16日時点)

一方、野党では立憲民主党が議席を40近く増やす可能性があります。

ただ、約5割の人が「まだ投票先を決めていない」と回答していて、情勢は大きく変わる可能性も。

無党派の若者票をどう獲得するかが選挙結果を左右する“1つのカギ”となりそうですが…

大学3年生(21)
「誰を選んでも一緒かな」

大学院生(24)
「全般的にマニフェストは見るんですけど、意味がなかったりするじゃないすか」

諦めに近い声がある一方、切実な声も。

大学2年生(19)
「アルバイトやパートの扶養が103万円までで、それが結構きつくて」

社会人1年目(23)
「税金どんどん上がっていってるので若い人たちが遊びに行く、車を持つことが難しくなっている」

夫婦(30代)
「休職・育休中の給料をもう少し上げてほしい」

衆院選を前に会見をしたのは、経済的に困窮する若年層への支援などを行うNPO団体。25歳以下の相談者のうち、3人に1人が借金をしたことがある状況だと訴えます。

NPO法人D×P理事長
「生活ができなくなり、『2日間ご飯を食べることすら出来なくなった』という話もされていました。この困窮支援を国に訴えかけていきたいと思います」

「若者の声にどう応える?」平均35.6歳の東京15区

5人が立候補している東京15区。候補者の平均年齢は35.6歳(全候補者の平均は54.2歳)。全国的に見ても若い選挙区です。

若者代表をアピールする候補者らは、若い世代の声にどう応えるのでしょうか。

自民 大空幸星 候補(25)
「現在、最年少の25歳で国政へ挑戦しております」

ポスターにも最年少の文字を掲げ、選挙戦を戦うのは自民党の大空幸星候補。NPOの元理事長で、Z世代の論客が訴えるのは…

自民 大空幸星候補(25)
「賃金を上げたいと思っているんですが、なかなか上げられないのが実情。しっかりと賃金を上げられるぐらいの稼げる力を中小企業の皆さんにつけていただく。そのための支援は若者の貧困対策において最優先なんじゃないかと思います」

対する立憲民主党の現職・酒井菜摘候補は、7歳の子を育てる母親として、子育て支援の拡充などを訴えます。

立憲 酒井菜摘 候補(38)
「女性が少ない現場で、かつ30代の議員という意味で、若い世代の声を代弁していくのは重要な役割だと自覚しています。困難を抱えている方たちが声も上げられずに自分の置かれた環境に苦しんでいる。そういう方の声を(国に)届けたいと訴えています」

電飾を付けたデコチャリで登場したのは、元格闘家で前参議院議員の須藤元気候補。この選挙区内では最年長の46歳です。

無所属 須藤元気候補(46)
「とにかくやることは消費税減税です。消費税を仮にゼロにしたら、皆さんの所得が1割増えるわけですから。若者世代もそうですし全ての世代において、いい流れになっていくと思っています」

その他、共産党の小堤東候補は…

共産 小堤 東候補(35)
「若い世代の苦しみは本当にど真ん中に聞いてきたことでもあるので。消費税も5%に減税しようとか、働き方の問題、大学の学費の問題、解決していきたいと強く思っています」

また、無所属での出馬となった金澤結衣候補は…

無所属 金澤結衣候補(34)
「保育や高等教育の無償化も含めて、社会で子どもたちを育てる仕組み作りを考えていかないといけないと思います。若い世代の架け橋になるということと、同世代が選挙に行きたくなるような提案を私たちがしていかなくてはならない」

「投票行かない」選挙を前に若者の本音は

藤森祥平キャスター:
今回の立候補者1344人のうち、40代から60代が77.4%であるのに対し、20代はわずか1.6%です。

トラウデン直美さん:
20代は25歳以降しか被選挙権はないので、そもそも少なくなるとは思いますが、選ばれる・選ばれないは置いておいて、被選挙権をもう少し下げてもいいのかなと思います。

若い人たちが抱えている個別の悩みや状況はいろいろなデータやヒアリングでわかりますが、その空気感は同世代の方がぐっと身近に感じると思います。近い世代の候補者はわざわざ説明しなくても「今こういう状況で、こういうところがしんどい」というのを伝えてくれる、「応援したい」と思える候補者になるのではないかと思います。

一方で、それでも当選しないんじゃないか、当選したとしても本当に通るの?という気持ちがあるのもわかります。

小川キャスター:
安野さんは30代で都知事選に出馬されましたが、実際に立候補してみてどうですか。

AIエンジニア SF作家 安野貴博さん:
20代30代で立候補するのは、相当なハードルがあると立候補して思う。海外と違って、有権者の方から見て、日本だとまだ20代、30代だと経験が少なすぎるっていう見方もあります。

今の仕事を辞めて立候補しなければならないなど、キャリア上のリスクも相当ありますよね。そういう意味では2世3世のようなリスクの少ない人しかチャレンジしづらい状況はまだあると思います。

藤森キャスター:
総務省による投票率の数値を見ると、前回の衆院選は全体で55.9%のうち、20代の投票率が36.5%と世代別で最も低くなりました。

なぜ投票所になかなか足が向かないのか街で聞いてみました。

大学2年生(20)
「私はあまり行く予定はない。投票に行っても自分の投票で変わる感じがしない」

大学院生(24)
「50代以降の方が投票率も多くて、その人たちの意見が反映されやすいっていうことから、若者がいっても意味がないんじゃないかなって」

大学4年生(21)
「友達との会話の中で、政治や暮らしについての会話をあまりしない。そういう機会が普段ないから、そもそも興味を持たない」

安野貴博さん:
投票は行った方がいいと思いますし、意味もあると思います。ただ一方で、マイノリティになってしまっている若者が、投票に行っても意味ないんじゃないかと思う気持ち自体は共感できます。

16歳が政府を動かす 台湾の「政策提言サイト」

藤森キャスター:
台湾では若い世代が政治に関わる方法として、政策提言サイトというものがあります。

例えば幼稚園での虐待を防止する制度の見直しなど、誰でも提案ができて、いわゆる「いいね」の数が5000人以上マークされると、それだけで政府が検討します。そしてその回答をしっかり公開し、議題に上げることを約束しています。

例えば2019年、タピオカのストローの脱プラスチック化。16歳の少女が提案をして、実際に台湾政府を動かしていきました。

このサイトを作ったのが、デジタル担当の大臣として有名なオードリー・タン氏です。「プラスチックストローに慣れてしまっている年上の世代には出てこない若い人ならではのアイデアだ」と。

4年前にオードリー・タンさんにインタビューしたときに衝撃だったのが、政府の方が若い人たちに自ら向かっていって積極的に声を聞きに行く。それをパフォーマンスではなく、貴重な行動だと思ってあえてやっている。そうすると、選挙権を持つ前の子たちが、自分たちも繋がれるんだという気持ちになって育てていけるということでした。

トラウデン直美さん:
これだったら方法もSNSやインターネットに慣れている人たちが親しみやすい制度で、ものすごく取り組みとして面白いですね。

小川キャスター:
若者からの意識を吸い上げようという思いが伝わってきますね。

安野貴博さん:
こうした取り組みは日本でもできると思います。選挙しか自分たちの思いを届ける場がないということではなく、いろんなやり方でいろんな世代の意見を聞ける仕組みを作ることで、再び政治に対して期待ができるようになるんじゃないかなと思っています。

トラウデン直美さん:
なかなか政治のことを普段話す機会がないと言ってましたが、そういった雰囲気から変えていく。学校とかで、フラットに「どう思う?」って話せる環境作りはこういった取り組みからもできるような気がします。

小川キャスター:
若い世代に自分たちがちゃんと当てにされている、頼りにされているんだという意識をもっともっと持ってもらうために、上の世代からまず変わっていかなきゃいけないなと思います。

==========
<プロフィール>
トラウデン直美さん
慶応大学法学部卒
環境問題やSDGsについて積極的に発信

安野貴博さん
東大卒のAIエンジニア SF作家
都知事選でAI選挙を展開し5位

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