猫が嘔吐する姿を見かけると、飼い主としては心配になってしまいますよね。でも、猫は比較的よく吐く動物で、必ずしもすぐに心配する必要はない場合もあります。しかし、嘔吐物の色には注意が必要です。色によっては、猫の体調が良くないサインだったり、緊急対応が必要なケースもあるのです。この記事では、猫の嘔吐物の色を4つのタイプに分けて、それぞれの場合にどう対応すればよいかを詳しくお伝えします。
猫が吐く理由
猫の嘔吐は、毛玉を吐き出す「毛玉吐き」が一般的です。
猫はグルーミングを行なう特性を持っているため、舐めとった被毛が消化管内にとどまってしまうと、便に混ざったり吐出したりして排出されることが多いです。
短毛の猫でも見られますが、特に長毛種は頻繁に見られる傾向があります。また、食べ過ぎや早食いも嘔吐の原因です。これらの場合、少量ずつ食事を与えることで対処できます。
また、猫は環境の変化やストレスで吐くことがあります。
引っ越しや新しいペットなどが環境の変化による精神的な負荷が体調変化につながることが原因で、嘔吐する場合もあります。ストレスを減らすため、リラックスできる環境を整えましょう。
猫の嘔吐は、軽度なら心配いりませんが、頻繁に起きる場合や食欲不振、元気消失などの変化が併せて見られる場合は、早めに獣医に相談することが大切です。
嘔吐物の色で見分けたい4つのコンディション
猫の嘔吐物の色からコンディションを見分けるポイントを4種類に分けて紹介します。
あくまでも目安であり、すべてではないため状況をよく見て出来るだけ早めに受診をする習慣をつけると安心です。
1. 黄色やオレンジの嘔吐物
黄色やオレンジの嘔吐物は、健康な猫にも比較的よく見られるもので、主に猫の胃の中に溜まった胃酸や消化されたものや未消化の内容物が原因で発生します。
特に、空腹時間が長く続くと、胃に食べ物がない状態で胃酸が逆流し、それが嘔吐の原因になることがあります。
緊急度を見分けるポイントは、猫が吐いた後も普通に遊んだり、食事を取ったりしているかどうかです。吐いた後でケロっとしている場合は、緊急度は低いとみて良いでしょう。
一方で、嘔吐が頻繁に繰り返されたり、猫が食欲を失っていたり、元気がなくぐったりしているような時には注意が必要です。
このような症状が続く場合、膵炎や胃炎、物理的な閉塞などの消化器系の疾患が隠れている可能性がありますので、早めに動物病院での診察を受けましょう。
2. 透明、泡状の嘔吐物
透明で泡状の嘔吐物は、猫が胃液だけを吐き出している状態を示しています。空腹時に起こりやすく、胃の中に食べ物がなくても胃酸が分泌されることで発生します。
緊急度を見分けるポイントは、嘔吐後に元気で食欲も通常通りであれば、あまり心配する必要はありません。
しかし、頻繁に泡状の嘔吐を繰り返す場合や、嘔吐後にぐったりとしている、食欲が著しく低下しているといった症状が見られる場合は要注意。
頻繁に吐く場合は胃炎や精神的な負荷による体調変化、物理的な閉塞によるものかもしれません。
また、嘔吐が続くと脱水症状を引き起こす可能性もあるため、早めに獣医師の診察を受けるようにしましょう。
3.緑色の嘔吐物
嘔吐物に緑色のものが見られる場合、主な原因は胆汁の逆流や消化器のトラブルにあります。
胆汁は通常、消化の過程で腸に分泌されますが、何らかの理由で胃に逆流してしまうと、緑色の嘔吐物としてあらわれることがあります。
緊急度を見分けるポイントは、緑色の嘔吐物が一度だけで、その後猫が元気にしている場合は、軽度の消化不良や一時的な胆汁の逆流かもしれません。
しかし、頻繁に緑色の嘔吐物が出る場合や、嘔吐が続く、下痢を伴う、黄疸(皮膚や目が黄色くなる)などの症状が見られる場合は、肝臓や胆管に問題がある可能性があります。
これらの症状は、早めの治療が必要な場合が多いため、放置せずに迅速に獣医師の診察を受けましょう。
4.黒っぽい嘔吐物
茶色や黒っぽい色の嘔吐物は、特に注意が必要となります。
嘔吐物が黒っぽくなる原因は、胃や腸からの出血が消化され、その結果血液が酸化し色が変化するためです。出血の原因としては、胃潰瘍や腫瘍、異物の摂取などが考えられます。
茶色や黒っぽい嘔吐物は、緊急度が非常に高い場合がほとんどです。たとえ一度だけであっても、すぐに動物病院に連れて行くことをおすすめします。
特に異物を誤飲した際や、有毒な物質(チョコレートや人間用の薬など)を口にした場合は、急を要する状況です。
まとめ
猫の嘔吐は、特に毛玉や空腹時など、比較的よく見られる現象ですが、嘔吐物の色には情報が詰まっています。
嘔吐物の色は、猫の健康状態を示す重要な手がかりであり、よく見られるものと、緊急対応が必要な場合の目安になり得ます。
特に注意すべきなのは、緑色や黒といった明らかに「胃液や食べ物ではない」色になります。
嘔吐物の色や猫の様子をしっかり見極め、必要に応じて早めに獣医師のアドバイスを受けることで、愛猫の健康をしっかりと守っていきましょう。
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