自民惨敗、石破総理“続投論”“交代論”どちらも 過半数割れで野党と「連立」どうなる?【Nスタ解説】

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2024-10-28 22:59

自民党に吹き荒れた大逆風で、小泉進次郎選挙対策委員長が辞任。石破総理はどうなってしまうのでしょうか?

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石破総理…続投意向も党内反発は?

南波雅俊キャスター:
今回の衆院選は定数465議席のうち、自民・公明両党合わせた与党が215議席、野党は235議席、無所属・他が15議席となりました。過半数割れとなった自民党、石破総理の責任問題、また他の野党と連立を目指すのかが注目されます。

石破総理は「政策実現に向けて最大限の努力をする」と続投の意向を示しています。しかし党内では続投論と交代論、大きく2つの意見が上がっています。

▼来年の参院選 再選控える議員
「いまは内輪もめをしている余裕はない。さらなる結束が重要だ」という“続投論”

▼自民党の中堅議員
「石破総理の退陣は避けられない」という“交代論”

総理指名選挙で野田氏と対決?

近く特別国会で総理指名選挙が行われます。過半数獲得で総理大臣となりますが、過半数に達しない場合は上位2人で決選投票となります。今のところ、石破総理と立憲民主党の野田代表の決選投票が有力とみられています。

また、野党との連立はあるのでしょうか。

【議席数】
・与党 215議席(自民191議席・公明24議席)
→過半数の233議席まで18議席不足

・立憲 148議席
・維新 38議席
・国民 28議席
・共産 8議席
・れいわ 9議席
・参政 3議席
・社民 1議席
・保守 3議席
・無・他 12議席

このような状況で、総理指名選挙の行方も注目されています。

井上貴博キャスター:
敗戦の責任を取るとして小泉進次郎氏が選挙対策委員長を辞任しましたが、裏金問題で“非公認”となった候補者が代表を務める党支部へ2000万円を支給したという問題については、森山幹事長の責任もあると思います。

小泉氏は自民党執行部に残るよりも自由な身になった方が動きやすいのかなとも思います。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
小泉氏にはそのような計算もあるでしょう。

ただ、今キーパーソンの森山幹事長が辞めたら、「総理も一緒だろう」となるので、なかなかやめられない状況になっていると思います。

ホラン千秋キャスター:
これまで自民党が過半数を占めていたので、国民の思いがあっても「結局、自民党の理論だから…」と諦めの部分があったかもしれません。与党が過半数割れとなったことで、国民が政治を見るという面が面白くなるのかなと思います。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
今回、石破総理は自民党がこだわっていた政策活動費を「やめます」とはっきり言ったのは選挙での議論を受けてのことだと思います。

今まで、公明党も他の野党も「やめてほしい」という意見が圧倒的だったのに、自民党の中で維持するという意見が強く変えられなかったわけです。

今回の選挙で自民党が惨敗したので、今後は党派を超えて“良い政策は話し合いで進めていこう”ということが可能になるのではないでしょうか。

井上キャスター:
党派を超えてやるべきことを自民党だけでやってきました。2025年の参議院選挙も自民党は大きく負けてしまうかもしれない。しかし変わらなければいけません。新しい時代になるのではないでしょうか。

ハロルド・ジョージ・メイさん:
間違いなく、日本の一つのターニングポイントになると思います。もう自民、公明だけではなく、交渉・話し合いという新しいフェーズに移りそうですね。

国民民主と連立は?

南波キャスター:
さらに国民民主党の28議席がもう一つの大きなポイントになります。与党との連携について玉木代表は…

――主要ポストをもらい与党と組むか、政策実現のため与党に入るか

国民民主党 玉木雄一郎代表:
ポストはいりません。政策を実現してほしいなと思っています。政策を実現しないと支持して頂いた人の期待に応えることができないので。ポストはいりませんので、ぜひ掲げた政策を1つでも2つでも、政府与党にものんでいただいて実現をしてもらいたいし、そのことを強く求めていきたいと思います。

――連携の打診があった場合(「総理指名」で自民・立憲)どちらを書くか

玉木代表:
うちの幹部は、各党と(協議を)始めていると思います。自民党からもそういう話はすでにあると思います。立憲からはまだ聞いていませんけど…

南波キャスター:
連立、総理指名選挙ともに国民民主党がどう動くのかが大きな焦点になっているようです。

28日、石破総理は公明党以外との連携について「いまこの時点で想定しているわけではない」と話しました。ただ、「議席を大きく伸ばした党がある。その党に寄せられた国民の理解、共感そういうものを謙虚に受け止め、取り入れることに躊躇があってはならない」とも話しています。

一方で、「政権交代が最大の政治改革」と訴えてきた立憲民主党の野田代表は与党の新たな連立に警戒感を示しています。

28日に今後の政局について「(与党が)自公以外に声がけしてくる可能性があるので注意深くみながら、逆にこちらのチームをどう作っていくか心を砕いていきたい」と話しました。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
ヨーロッパでは連立の組み換えなどが当たり前になっていますので、日本でもオープンに議論を公表しながらやってもらいたいですね。

ハロルド・ジョージ・メイさん:
海外では各党、マニフェストのようなものがあって、交渉の結果を合意会見で「我々はこれは諦めることにした」「私たちはこれを会得した」とオープンにするのでお互いウィンウィンですよね。それが交渉なのではないでしょうか。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
日本は今まで自民、公明で話したら国会の議論は数で押し切ってきました。なので政治記者も自民、公明の政策論議は集中して取材します。

そういった“押し切り”ができなくなるので、今後は国会のオープンな議論が非常に大事になってくると思います。取材方法も変わってくるかもしれません。

ホランキャスター:
議席を伸ばした野党も真価が問われると思います。「政権交代こそが最大の政治改革」という立憲民主党も、交代したあとに何がしたいのかが見えてこないと、国民は「結局野党も何もしてくれない」という絶望につながってしまいます。各党が本当に信を問われているときだなと思います。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
優先順位をつけて、これはできたけどこれはできませんでしたとオープンにしていくのが大事だと思います。

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<プロフィール>
星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島県出身 政治記者歴30年

ハロルド・ジョージ・メイさん
プロ経営者 1963年オランダ生まれ
現パナソニック・アース製薬の社外取締役など

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