世界が注目したアメリカの大統領選挙。共和党のトランプ前大統領が勝利を確実にしたと現地メディアが報じました。接戦が予想されていましたが、トランプ氏が終始リードした今回の選挙。その勝因はなんだったのでしょうか?(11月6日「news23」午後11時すぎの放送より)
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「アメリカの黄金時代となる」共和党 トランプ氏が勝利宣言「再び偉大な国に」
現地時間の午前2時半、フロリダ州にある共和党のトランプ陣営の会場は熱気に包まれました。
共和党 トランプ前大統領
「第47代の大統領に選ばれた栄誉に感謝したい。これはまさに、アメリカの黄金時代となるだろう。アメリカ国民にとっての壮大な勝利であり、我々はアメリカを再び偉大な国にできる」
投票が始まったのは現地時間の5日。メラニア夫人とともに投票を終えたトランプ氏は…
トランプ前大統領
「全米が赤色になっていると聞いている。これまでにない動きだ。私たちはこの国を立て直すつもりだ」
一方、すでに期日前投票を済ませていた民主党のハリス氏は、ワシントンにある選挙本部へ。有権者に、電話で支持を呼びかけました。
民主党 ハリス副大統領
「投票してくれたんですね!ありがとうございます」
各地の投票所には、朝から長い行列ができました。南部ノースカロライナ州。初めて選挙に訪れた大学生が手にしているのは、投票を証明するシール。中にはこんな投票所も・・・
記者
「周辺にはバリケードが設置されているほか、建物を囲うようにフェンス、さらに鉄柵が設置されていて、厳戒態勢となっています」
アリゾナ州では前回の大統領選でトランプ氏が敗北し、武装した支持者が詰めかける事態に。そのため今回は警備が強化されたのです。
ハリス氏に投票
「(Q.誰に投票を?)ハリスだ。政策を支持しているし、トランプ陣営の発言が嫌いだ」
トランプ氏に投票
「トランプに投票しました。一番の理由は、彼は100%この国を愛していると思うから」
激戦州の結果 予想より早く判明 ハリス氏支持者「4年間トランプだと結構しんどい」
歴史的な大接戦といわれた大統領選挙は、日本時間の6日朝から、開票作業が始まりました。
記者
「午後7時です。ジョージア州の投票が締め切られ、多くの人がバーに集って結果を見守っています」
激戦州の一つジョージア州では、ハリス氏の支持者が、期待の表情を浮かべて開票結果を見守ります。
選挙結果を左右するといわれる7つの激戦州の結果は予想より早く判明しました。日本時間の午後1時ごろ、南部ノースカロライナ州でトランプ氏勝利が伝えられます。
記者
「ノースカロライナ州でトランプ氏の勝利が伝えられると民主党支持者は涙を流しています」
ハリス氏の支持者には不安の色が広がりました。
ハリス氏の支持者
「トランプが勝つかもしれない。でも、4年間トランプだと結構しんどいね」
続いて、日本時間の午後3時ごろ、ジョージア州でもトランプ氏が勝利。午後4時すぎには選挙人の数が最も多く、最重要州とされる東部ペンシルベニア州での勝利が伝えられました。
「FOXニュースは、ドナルド・トランプ氏がアメリカ合衆国47代目の大統領に就任する見通しであると伝えました」
速報を受けて、フロリダ州のトランプ陣営の会場では支持者が歓声をあげて盛り上がりました。
トランプ前大統領
「多くの人々が私に、神が私の命を救ったのには理由があると言った。その理由は、この国を救い、アメリカを再び偉大な国にすることだった」
一方、ワシントンのハリス氏の母校であるハワード大学には、アメリカ初の女性大統領の誕生を信じ、支持者が集まっていました。しかし…
ハリス氏陣営の責任者
「今夜は副大統領は話をしない。全ての票が数えられるよう、私たちは夜通し戦う」
記者
「ハリス陣営の幹部から、今夜はハリス副大統領は会場には来ないとの説明がありました。集っていた支持者も会場を後にしています」
ハリス氏の支持者
「とっても緊張していますね」
「すごくいい結果か、すごく悪い結果か、どっちかになるからね」
ハリス氏の支持者の願いは届かず、トランプ氏の再選が確実なものとなりました。
「競争力低下も…」アメリカ企業と取り引きする企業はどう見る?
喜入友浩キャスター
「モノ作りに欠かせない工作機器の展示会です。アメリカ企業と取り引きのある日本の企業は今回の大統領選の結果をどのように見ているのでしょうか」
米国に部品を輸出 東陽 近藤立祐さん
「現地での関税だとか、そういったところでは我々が輸出している日系部品の、現地での競争力が低下する可能性がありますので、そこは懸念点かなと思います」
多くの企業で聞かれたのが「関税」について。トランプ氏は大統領選で、海外からの輸入品に対する関税を大幅に引き上げると主張してきました。
ある調査によりますと、「どちらの候補の当選が経営にプラスか」と日本企業に聞いたところ、トランプ氏と答えた企業は15%に留まっています。
町工場が集まる東京・大田区蒲田にあるトランプタワーは、NYのトランプタワーと名前が同じということで、8年前に「蒲田のトランプタワー」として話題となった賃貸マンションです。
“蒲田のトランプタワー” 小林章彦オーナー
「通りがかりの人が見上げて写真を撮ってたりとか、取材はその時は非常に多かったですね」
名前の由来は、建物が13階建てで、カードのトランプの13枚にちなんだもので、10年前に命名。トランプ氏と関係はありませんが、トランプ氏を蒲田から応援しています。ただ、この8年間のトランプ氏の言動から複雑な心境も。
“蒲田のトランプタワー” 小林章彦オーナー
「トランプ氏がますます権力を持って、非常に独善的になっている部分が見えてきているのもあるので、ウクライナの問題をどうするか、ロシアと北朝鮮と中国っていうものの危機が、どのようにコントロールするか、不安に思っている」
トランプ氏の返り咲きで世界はどのように変わっていくのでしょうか。
各国で速報 戦争は?経済は? イスラエルのネタニヤフ首相は祝意示す
「これは大きな勝利だ」と祝意を示したのは、イスラエルのネタニヤフ首相。
イスラエル ネタニヤフ首相
「アメリカとイスラエルの偉大な同盟関係を力強く再確認することになる」
ロシアの国営テレビもトランプ氏の再選を伝えています。
ペスコフ大統領報道官は、プーチン大統領が祝意を伝えるかどうかどうか問われると「その計画は承知していない」と述べました。
また、ウクライナへの“侵攻を終結させる”としたトランプ氏の発言については「それが実行されるかどうか、どのようにするかは来年1月以降にわかるだろう」と話しました。
モスクワ市民からは…
モスクワ市民
「状況が良くなると思いたい。戦争が終わること」
一方、中国では国営の新華社通信が「トランプ氏が大統領選の勝利を宣言した」と速報で伝えています。
北京市民
「(中国経済に)影響はあるでしょう。トランプ氏は関税を引き上げるでしょうから。中国は強くなったので、どんな外国勢力の圧力にも恐れません」