あすから協議が始まる、いわゆる「103万円の壁」の見直し。減税によって手取りが増え、消費が刺激されるとしていますが、その想定通りにいくのでしょうか。
きょう、街で聞かれたのは嘆きの声です。
40代
「スーパーとか色んな店に行っても値上がりをすごく感じる」
20代
「(賃金は)上がっていない。物価だけ上がっていて苦しい」
理由は、手取りが増えないことです。
きょう発表された、働く人一人あたりの「実質賃金」。現金給与は増えましたが、物価の上昇に賃金が追いつかず、2か月連続のマイナスに。
今、注目されている「103万円の壁」の見直し。所得税がかかる最低ラインを引き上げ、「税金がかかる部分」を減らすことで、手取りを増やす狙いです。
国民民主党は、▼年収200万円の人で8万6000円、▼年収1000万円の人で22万8000円の減税になると試算しています。
多くの人が恩恵を受ける減税。街で聞いてみると。
50代
「あっそうなんですか。全然知りませんでした。これだけ減税されるのであれば歓迎」
30代
「13万円減税されたら家族で旅行とかも行ける値段なので、旅行に行きたい」
一方、こんな声も…
20代
「(Q.減税されたら何をしたい?)一人暮らしでなかなか貯金が難しいので貯金に回したい」
40代
「そんなに使わないで貯めておくかもしれない」
政府は、非課税枠の引き上げを行った場合、7兆~8兆円の税収が減るとしていますが…
国民民主党 玉木雄一郎 代表(先月31日)
「国の懐はそれだけ減るかもしれないが、国民の懐はそれだけ増えるわけですから、当然、消費も企業活動も活発になって、相当、税収が増えるのではないか」
所得税の減税で本当に景気は良くなるのか?
大和総研 是枝俊悟 主任研究員
「大幅に財政に穴をあけるような減税は継続性にも疑問が持たれますし、将来の増税や社会保障給付の削減を予期するような形で、消費が冷え込むということは十分ありえます」
専門家は「全体的に減税をすることが消費を活性化するという理屈には疑問を感じている」として、厳しい視線を注ぎます。
バラ色の減税か、あるいは効果の薄いバラマキなのか?「103万円の壁」をめぐり、自民党と国民民主党があす協議を行い、本格的な議論がスタートします。