先月27日に沖縄県の与那国島で起きた陸上自衛隊のV-22オスプレイの損傷事故について、陸自トップの森下陸上幕僚長は「地域の皆様の懸念や不安の声がある中、事故を発生させたことに対して重く受け止める」と述べました。
事故は、先月27日に与那国駐屯地で日米共同演習に参加していた陸上自衛隊のオスプレイが離陸しようとした際にバランスを崩し、機体の一部が地面に接触し損傷したものです。
陸上自衛隊は事故調査委員会はきょう調査結果を取りまとめ、事故の原因について「人的要因に起因する」と説明しています。
具体的には、「操縦士がオスプレイを離陸する際に作動させるエンジン出力関連の機能を作動させ忘れた」として、「離陸に必要なエンジン出力の確保が困難だった」ことにより、不安定な状態を発生させたとしています。
防衛省によりますと、オスプレイは離着陸の際に高いエンジン出力を必要とすることから、一時的にエンジンの出力を増大する機能が搭載されていますが、今回の事故では、▼機体への搭乗人数の変更や、▼搭乗時間に遅れが生じたことなどから、離陸時にパイロット2名が、この機能を「作動させ忘れていた」ということです。
当時、機体には16人が乗っていましたが、いずれもけがはありませんでした。
森下陸幕長はきょうの会見で、「事故の再発防止に全力をあげ、飛行の安全に万全を尽くしていく」としています。
この事故を受け、自衛隊はすべてのオスプレイの飛行を取りやめていましたが、事故調査結果を踏まえ、再発防止策を徹底したうえできょう以降、飛行を再開するということです。