病気やケガなどによる体調の急変は、時と場合を選んではくれません。もしかしたら、動物病院が開いていない夜間に愛猫の体調が悪化してしまう可能性もあるでしょう。今回は、不測の事態に備えられるよう、夜間に見られる救急症状3つといざという時のための準備ポイントをお伝えします。
1.けいれん
脳炎や脳腫瘍、てんかんといった病気や中毒などが原因で夜間にけいれんを起こすことがあります。けいれんとは、手足や顔の筋肉が自分の意思とは関係なくビクビクと収縮したり、突然固まって突っ張ったりする症状です。通常の場合は長くても5分以内で収まります。
けいれんしている状態が5分以上続く、意識が元に戻る前に再度発作が起こる・発作を繰り返すといった場合は特に緊急性が高いので、夜間であっても急いで病院を受診してください。また、1日に発作が2回以上繰り返される場合も速やかに治療を受けましょう。
なお、猫は寝ている時にも顔がピクピクしたり手足がバタバタと動いたりしますが、浅い眠りの時に夢を見ていて起こることがあります。
2.嘔吐・下痢
胃腸炎、腎不全、腸閉塞、中毒、感染症などが原因で夜間に嘔吐や下痢をしてしまうことがあります。
一時的な嘔吐や下痢である可能性もありますが、以下のような状態が見られる場合は速やかに受診をしてください。
- 短時間に何度も嘔吐する
- 嘔吐が3~4日続く
- お腹が張っている
- 嘔吐したものに血が混じる
- 血便、激しい水様便が出ている
- 嘔吐と下痢を併発している
症状が出ている時は脱水を伴い、体調が急変したり状態が悪化しやすいため注意が必要です。
3.意識障害
猫が急によろつく、気を失う、呼びかけへの反応が鈍くなるなど意識障害が起こっている場合、命に関わる可能性もある状態なので一刻も早い受診が必要となります。
気を失った状態が30秒以上続いたり、意識障害と共に呼吸困難やチアノーゼ(口の粘膜や舌が青白くなる症状)、失禁といった症状が見られる状況は特に緊急性が高いです。
意識障害を引き起こす原因には様々な病気が考えられますので、詳しい原因を特定するためにも状況を的確に獣医師に伝えられるように冷静に観察しましょう。
いざという時に備えておくべきこと
動物病院が開いていない夜間に愛猫の体調が急変すると、きっと多くの方がパニックになってしまうでしょう。不測の事態に備えて事前にきちんと準備することが大切です。
- 夜間診療している病院をいくつか探しておく
- キャリーやハーネスを準備しておく
- 普段服用している薬やサプリメントの名前を控えておく(持参する)
- 時間外料金がかかることを把握しておく
夜間診療の場合は同意書や問診表への記入・捺印、身分証明書の提示が必要になることもありますので、持参すべきものをあらかじめ調べておきましょう。
また、愛猫の状態が分かるよう動画におさめたり、嘔吐物や排泄物を持参するか写真を撮るなどして状況を的確に獣医師に伝えられるようにしておくと治療の助けとなります。
可能であれば行く前に電話で状況を伝えてから来院するとスムーズにみていただけることがあります。
まとめ
夜間など、かかりつけの動物病院が開いていない時に愛猫の体調が急変することも無いとはいえません。日頃から、夜間診療のある病院をあらかじめ探しておく、持参すべきものを調べておくといった事前の準備をしておくことが重要です。
病院を受診するにあたっては、愛猫の状態をよく観察して獣医師に伝えられるように動画や写真などを活用するのも良いでしょう。
平常心を保てない状況になった時こそ、努めて冷静に対処できるようにきちんと備えておくことが愛猫の回復につながります。
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