猫への薬の飲ませ方|上手に飲ませるコツや注意点を現役獣医が解説

2024-11-23 17:20

一般的に犬よりも猫の方が投薬が難しいことが多いです。薬を上手く飲んでもらい、病気の治療をスムーズにおこなっていくために、ここでは猫ちゃんへ投薬を行う場合の、小さなコツを解説していきます。

薬の種類について

猫と薬

使われる薬の剤型は様々ですが、人間とほぼ変わりません。

一番多く取り扱われているのは、やはり「錠剤」。

体重の小さな子の場合や、錠剤がない場合には「粉薬」や「液剤」も使われます。中に液体や粉薬が入っている「カプセル」もあります。

また、「動物用医薬品」というのは実は種類が少なく、人間用の「医薬品」を用いていることが多くあります。

勿論、人には使えるけれども猫には使えない薬もありますので、自己判断で自分の薬を猫ちゃんに与えるのは、絶対ダメです!

動物用医薬品として販売されている薬は、体重別に処方できるよう分割しやすくなっていたり、飲ませやすいように猫ちゃんが好みそうなフレーバーを付けてあったりします。

特に猫ちゃんの場合、錠剤などの飲ませづらさが犬よりも強いことがあり、猫用に「液剤」を開発している薬がいくつもあります。

飲み薬の必要性

錠剤と猫

動物病院で「先生、注射で治りませんか?」と聞かれることは少なくありません。

飲み薬でも注射薬でも、多くの場合お薬が体に入って代謝されて排泄されるまでの時間に差はありません。となると、1日2回の飲み薬を注射にすると、1日に2回も注射に通わなくてはなりません。しかもそれは1日で治るものではないのです。

心臓や肝臓など慢性疾患をかかえてしまった場合、生涯お薬を飲まなくてはいけないという治療になることも少なくありません。

アトピーやアレルギーで痒みをおさえるために生涯、もしくは数ヶ月お薬を飲むこともあります。化膿や炎症などで抗生物質を使う場合も、数日は必ず服用してもらう必要があります。

治りきらないうちに止めてしまうと、耐性菌を作って再発してしまうなどの問題があるからです。

「お薬が飲めないこと」で治療を諦めてしまわなくてはならない、なんて悲しい選択をしなくてもいいように。お薬を飲むことが嫌なイベントにならないように気を付けていきましょう。

エサに混ぜるやり方

エサを与える

一気にぺろりとエサを平らげる犬とは違い、猫は元々少量頻回で食餌を摂る動物です。

置き餌にして、好きな時にエサを食べられるようにしてあるご家庭も、多いのではないかと思います。

そのため、エサにがっつくタイプの猫ちゃんでないと、薬を混ぜてあることなんてお見通しで、「薬だけ残してしまって、どうしてもダメ。」という子も多いです。

しかし、お腹の空いているタイミングでエサに薬を混ぜることで、食べてくれる猫ちゃんも何割かはいます。

朝や晩にまとまってエサを食べてくれる子は、この方法が取りやすいです。

勿論、人間よりも嗅覚の優れている猫が「混ぜてある薬に気付かない」ということは、そうそうありません。

「何かいつもと違うものが混ざっているけど、お腹が空いたからいいや、食べちゃおう!」という心情ではないでしょうか。要は「気付かない」のではなく、「気にならない」のです。

お腹が一番空いている時に薬を飲ませたいので、食べ始めの一口目に薬を混ぜるようにしましょう。

「避けてしまって結局食べなかった」という事態を防ぐために、まずは少量のエサに薬を混ぜたものを与え、薬まで完食したら残りのエサをあげるという方法も良いでしょう。

◎エサに混ぜる際の注意点

薬を混ぜ込むのに、例えば缶詰やパウチなどのウェットフードは、ドライフードよりも使い勝手が良いと思います。ウェットフードの方が好きで特別感があるならば、なおさら薬を混ぜても「気にならない」で食べてくれることでしょう。

しかし、食べ慣れていないものを病気の時に色々食べてしまうのは良くありませんので、ごく少量の使用に留めましょう。例えばお腹を壊している時、薬を飲むために美味しいものを食べすぎては、さらに胃腸に負担をかけることになります。

「錠剤だと混ぜ込みにくいため、粉にしたいです。」という方もいらっしゃいますが、薬の種類によっては剤型を変えてしまうと、十分な効果が出ない場合もあります。剤型を変えたい場合には必ず動物病院で相談してください。

投薬補助食品(オヤツ)を使う

現在、ペットショップや動物病院でも「投薬補助食品」を取り扱っているところが多くあると思います。

フードに混ぜても薬を飲んでくれない子には、チーズなどを使ってお薬を飲ませる方法もよく取り入れられますが、例えばアレルギーのある子や慢性疾患で食餌に制限がある子などは、使える食材が限られてきます。また、うまく包めなくて苦労するといったこともあるかと思います。

投薬補助食品は、ある程度の粘度や柔らかさのあるオヤツで、お薬を包みやすく、美味しいニオイを強くしたりして投薬を楽にしてくれるアイテムです。

粘度が高いものならば、お薬を包んだものを口の中に塗ってしまうという手も取れます。

人間のお子さんでもお薬を美味しく飲むためのゼリーなどがありますよね。色々なメーカーで取り扱いがありますので、低脂肪のものや低アレルゲンのものなども開発されています。気になった方はお店や動物病院などで相談してみてください。

口に直接お薬を入れて飲んでもらう

薬を口に含む猫

お薬の種類によっては、少ないですが空腹時に飲まなくてはならないお薬もあります。また、病気で食欲のない時にお薬を飲ませなくてはいけない場合もあります。

その場合には「口を開けて直接投薬する」方法をとります。

猫の口をめくって見てみると、上顎の犬歯の後ろには少し隙間が空いています。利き手と逆の手でまず、左右のその隙間に指を差し込んで、頭を包むように軽く握ります。

利き手では薬を持ちながら、下顎の先端に指をかけてゆっくりと口を開き、喉の奥へ薬を入れます。

少し顔を上に向けて喉をさすると「ごっくん」と飲んでくれる感覚が分かると思います。

さて、ここで大事なのはこのイベントを、猫ちゃんが嫌がらずにおこなえるかどうかです。おうちの猫ちゃんはお口周りを触らせますか?上手に口を開けられるでしょうか。

猫ちゃんのお口は犬よりもずっと小さく、看護師や獣医師でも薬を飲ませづらい子はいます。

しかも猫ちゃんは前足を使うのがとっても器用。嫌だと思ったら前足や後ろ足まで使って、身体を捻って大抵抗されることも。

こうなると無理に飲ませることはできません。

一度成功したとしても、どんどん難しくなっていくでしょう。

いきなり投薬に挑戦するのではなく、まずは口周りを触ったり、お口を開ける練習から始めましょう。

薬の代わりにドライフードをお口に入れたりしながら、投薬の練習を行っていきましょう。

投薬の仕方は病気になってから慌てて練習しても間に合いません。元気なうちから少しずつ、日常生活の中で練習していきましょう。

猫ちゃんは「吐く動物」

毛づくろいする猫

猫は毛づくろいをするためのざらざらとした舌を持ち、毛づくろいした毛を、毛玉として吐き出すことを習性として持っている動物です。

「変なものを飲まされた!」と思ったら、飲み込んだ後でも吐き出してしまいます。

一度飲み込んでしまえば大丈夫、というわけではありませんので、投薬の後にすぐ吐いてしまっていないか確認が必要です。

「飲ませても吐いてしまう」といった場合、内服での投薬を続けるのが困難な場合があります。まずは動物病院へ相談してみてください。

勿論、飲ませることを諦めてしまうのではなく、フードやオヤツなどを用いた投薬の練習は、日々おこなってください。

オブラートやカプセルを使ってみよう

薬の苦みなどを嫌う猫ちゃんは多いです。

「口に入れた途端、涎を出して泡をぶくぶく吐き出す」様子を見て、「このお薬大丈夫なんですか!?」と飼い主様に聞かれることも多いのですが、それは猫ちゃんにとっては「まずいものを食べさせられた」時によく見られる反応です。

薬を分割して与えることも多いので、分割面から苦みが出てしまう、薬そのものが苦いなどという場合がよくあります。

苦み、薬の味を口の中で味わわせないために、オブラートやカプセルなどを使うのも良いでしょう。

ただ、薬の外側を覆う物ですので、薬のサイズとしては大きくなってしまいます。

また、カプセルなどは直接飲ませる時に喉に貼りついてしまうなど、飲み込みづらい場合がありますので、投薬補助食品や液状オヤツなどで、表面を滑りやすくすると使いやすいかもしれません。

一緒に暮らしていると、どうしても人間よりも早く年を取っていってしまう猫ちゃん。お薬を飲む必要がある時は、必ずと言っていいほどやってきます。

少しでも長く健康でいてもらうために、お薬を飲ませる練習にはいつでも取り組んでおいてください。

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