ここ数年の日本は、休日を自宅やアウトドア活動などで過ごす人の増加に伴い、空前のペットブームであると言われています。犬をはじめ猫やそのほかのペットを飼ってみたいという方が多くいる一方、飼育放棄も増加傾向にあるのです。
飼育放棄の原因とは
空前のペットブームと言われる日本ですが、新規でペットを迎え入れる人が増える一方で飼育放棄の件数も増加傾向にあるそうです。一度迎えたペットを手放す理由とは、いったいどんなものがあるのでしょうか。
1.経済的な理由から
どんなに可愛い子犬たちでも、彼らはお人形ではないため食事をとりますし排泄もします。そして病気もあります。ということは食事代がかかりますし、ペットシーツや寝床など室内環境を整える必要がありますし、病院にかかることもあります。
ペットを飼育するというのは思った以上にお金がかかることです。そこを計算せずに迎え入れ、いざ毎日のようにお財布からお金が出ていくことに気が付くと「もう飼えない」という結論になる人もいます。
一人暮らしをしている人や日中家にいる人がいない家では、犬たちは寂しくてよく吠えて悪戯をするでしょう。近所迷惑だと言われ転居や無駄吠え、悪戯対策をしなくてはいけなくなり、これにも相当なお金がかかることになるでしょう。
犬を迎える前に経験者や実際に同じような犬種の子を飼育している人に、ひと月あたりいくらくらいかかるのかを聞いてみてください。そして、自分たちがそれだけの出費を賄うことができるのか、いざとなったらもっとお金がかかることも受け入れられるのか、しっかり考えることが必要です。
2.飼い主の病気
犬を迎え入れる際は飼い主の年齢や健康を考える必要があります。犬たちの寿命は小型犬で14~5年、大型犬では12~3年と言われていましたが、現在はもっと伸びていて17~8歳まで生きることも珍しくありません。
その間、犬たちの世話をする飼い主側も健康でいなくてはいけません。病気や事故は予想できるものではありませんが、飼い主側が自分の年齢や健康状態を考慮した飼育計画を立てないと、いざというときに犬たちが悲しい目に遭ってしまうことに繋がります。
高齢の方がさみしいからと言って犬や猫を飼ってしまうことも多いのですが、散歩や日々の世話がちゃんとできるのか、犬たちを最後まで飼育できる体力があるのかなどを考える必要がありますね。
3.離婚や転居
ご夫婦でペットを飼育していた場合、離婚で飼育放棄となるパターンが増えています。どちらが引き取るか揉めることも多いようですが、離婚で引っ込した先がペットの受け入れを行っていないなどの制約が発生することも理由の一つです。
また仕事の都合などやむを得ない転居が発生すると、飼育していたペットを「飼えない」といって保健所や愛護センターに持ち込むという選択をする方も多いようです。
転居自体が犬にとって大きなストレスとなり、飼育可能な物件でも問題行動が増加する傾向があるため「飼えない」という判断をされることも。
離婚や転居なども予想しきれるものではありませんが、一度迎え入れたら最後まで面倒を見る覚悟が必要です。引っ越し先を探す際も何とか一緒に住める物件を探す、環境が変わった際は犬たちが落ち着くまでしっかり寄り添うケアができるかなど考える必要があります。
まとめ
飼育放棄された犬たちは他の飼い主となる方へ譲渡されることもあります。
しかしこれも絶対ではなく、地方によっては数が多すぎて殺処分となることもあるのです。命の重みをしっかりと考えたうえで、ペットを迎えられる状況かどうかを判断してほしいと思います。
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