「詐欺の被害金を回収できる」などとうたい、弁護士資格のない人物に名義を貸して法律事務をさせた罪に問われている元衆議院議員で弁護士の男の初公判が開かれ、男は無罪を主張しました。
元衆議院議員の今野智博被告(49)は、詐欺被害に遭った人から被害金の返還請求の依頼された際、弁護士資格を持たない人物に名義を貸して手続きなどをさせた、弁護士法違反の罪に問われています。
東京地裁できょう(28日)開かれた初公判で今野被告は「(弁護士資格を持たない人物に)法律事務をさせたことはない」と述べ、無罪を主張しました。
検察側は冒頭陳述で、相談者との契約時などに必要となる印鑑について、「弁護士印の印影などが示された画像データを資格のない人物に提供していた」とし、「弁護士資格を持たない人物が被告人の名前を名乗り、なりすましていたことを了承していた」と指摘しました。
一方の弁護側は、「被告人は自ら法律事務を行い、その過程で事務スタッフに補助を受けたというに過ぎない」「スタッフによる補助は事務作業だ」などと述べ、無罪を主張しました。