脱毛大手の「アリシアクリニック」が12月10日に破産を発表しました。9万人以上に被害が出るとみられています。
【写真を見る】『きのう予約していたのに…』脱毛「アリシアクリニック」突然の破産 9万人超に被害【ひるおび】
大手脱毛“突然の破産”
12月10日、大手医療脱毛サロン「アリシアクリニック」の運営会社である2法人が、東京地裁に破産申請し、破産手続きに入ったことを発表しています。
破産管財人によると、施術を受けていない分の返金は「極めて難しい状況」です。
帝国データバンクによると、負債総額は約125億円。債権者は9万1818人で、過去最大規模の消費者被害になるとみられています。
アリシアクリニックは有名人を起用した広告などで知名度を高め、全国で約40店舗を展開していました。現在は全店舗で営業を停止しています。
脱毛サロンの倒産は2023年では9件に上り、12月には大手医療脱毛サロン「銀座カラー」が破産して全店舗が閉店となっていました。
「約5万円の損…」元会員は
小林由未子アナウンサー:
『ひるおび』の番組スタッフに「アリシアクリニック」の会員が2人いたので話を聞きました。
≪20代・番組スタッフ≫
・2023年春からアリシアクリニックを利用
・約13万円をクレジットカードで一括払い
・全身のプラン(計8回)
・施術は5回済んでおり、3回未施術
予約が大変取りづらく、1か月先以降しか空きがなく、キャンセルして次に取ろうとすると2か月3か月先となってしまった。
また、店の待合室は利用者で混んでいたということです。
予約が取りにくい状況もあり8回の施術が去年1年間で消費できなかったため、3300円払って期間を延長し、きのう(10日)6回目の施術に行く予定でした。
しかしその前日に突然「臨時休業のお知らせ」というメールが届き、10日には破産手続きに入ったというメールが届いたそうです。
「5万円くらい損していると思う。そんな大金が戻ってこないなんて詐欺みたい…。驚きと信じられないという気持ち」と話しています。
小林由未子アナウンサー:
そして2人目は、元々「銀座カラー」に通っていたという20代スタッフです。
≪20代・番組スタッフ≫
・2024年前半から「アリシアクリニック」を利用
・6万6000円・現金一括払い
・全身・顔なしのプラン(計5回)
・施術は4回済んでおり、1回未施術
こちらのスタッフにも、10日に突然破産手続きに入ったというメールが届きました。
「またか・・・と思った。3つの業者を比較し、金額の安さでアリシアクリニックに決めた。もう懲りた」と話しています。
恵俊彰:
この突然のお知らせにはちょっと怒りすら覚えてしまいますよね。
弁護士 八代英輝:
こういったクリニックの突然の破産というのは普通ちょっと考えられないですよね。他に何か投資をして失敗したとか、何か理由がない限りはちょっと考えにくいなと。
コメンテーター 朝日奈央:
しかも大手なので安心して契約しちゃうというか。
こういうことがあると思いながらこれから契約していかないといけないのかなと
ちょっと不安ですね。ちゃんとお金は返ってくるのかなっていう。
返金はされる?
アリシアクリニックの破産管財人のホームページによると、現金払いの場合は返金の見込みはないということです。
債権の優先支払いは税金や従業員の給与となり、その残りが会員などの一般の債権者に回ります。
佐藤みのり弁護士は、
「アリシアクリニックが税金や従業員への給料を払うだけでなくなってしまえば、会員などへの返金はされない」と話しています。
一方、クレジット払い・ローン払いの場合はクレジット会社と協議が必要となります。
佐藤弁護士によると「支払いについては会員とクレジット会社の契約になるので、クレジット会社ごとにルールがあるから相談するといい」ということです。
恵俊彰:
こういう話を聞くと、次から契約するときはクレジットカードで払うのがいいのかなとか思っちゃうね。
コメンテーター 杉浦太陽:
払い方によって違うんですね。
特に今、10代とか若い子も脱毛に興味がある子が多いから、10代の子にとって5万円10万円ってすごい大金ですよね。
佐藤弁護士は契約の注意点として、「前払いの長期契約は返金がされないなどのリスクがあることを知っておく必要がある。その都度支払いができる契約の方が安心」としています。
弁護士 八代英輝:
特に10代20代の最近の人たちは意識が高くて、まとめて払った方が断然お得なので、そちらを選んでしまうことが多いと思うんですよね。
特に今回は医療法人ですもんね。医療法人だったらちょっと倒産は普通は考えないですもんね。
(ひるおび 2024年12月11日放送より)