ノーベル平和賞の授賞式が行われたオスロで、核の脅威について話し合うフォーラムが開かれ、広島で被爆した小倉桂子さんが自らの体験を証言しました。
フォーラムには広島で被爆した通訳者の小倉桂子さん(87)や、長崎で被爆した医師の朝長万左男さん(81)が登壇したほか、IAEA=国際原子力機関のグロッシ事務局長らが参加し、核軍縮について議論を交わしました。
小倉さんは8歳の時に爆心地から2.4キロメートル離れた町で被爆。核廃絶のために「一人ひとりの力が大きなうねりになる」と英語で訴えると、会場からは何度も拍手が沸き起こりました。
小倉桂子さん
「怖かったのは、周りのたくさんの人々が傷もやけどもないまま亡くなっていったことです。それが放射能によるものだとは理解できませんでした。放射能という言葉も知らなかった。私が死ぬ前に地球上から核兵器がなくなるのを見たいです」
自らの被爆体験を世界に伝えるため独学で英語を学び、発信を続けてきた小倉さん。ノーベル平和賞は、その活動に大きな機会をもたらしたといいます。
小倉桂子さん
「私はより遠くへ、より広く伝えたくて40年やってきましたが、この(ノーベル賞の)一瞬がその40年を上回るくらいの効果があった。ここに来られた幸せを感じます」
小倉さんは13日までオスロに滞在し、自らの被爆体験を地元の中学生に証言する予定です。