自動車メーカー大手のホンダと日産が経営統合に向けて協議に入ることが分かりました。背景には海外企業からの買収の動きもありそうです。
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ホンダと日産 経営統合に向け協議
18日午前6時すぎ。ランニングウェアで現れたのは、ホンダの三部敏宏社長です。“大きなニュース”が飛び込んできたのはこの直前。
ホンダと日産自動車が経営統合に向けて協議に入ることが明らかになったのです。
統合が実現すれば、販売台数が700万台を超える世界第3位の自動車グループが誕生。将来的には、三菱自動車も加わることを視野に交渉を進めるということです。
――一部報道で経営統合に向けて協議を進めているという話があるが
ホンダ 三部敏宏 社長
「それは日産だけではなくて、三菱も協業含めていろんな話をしていて、あらゆる可能性について話をしている」
――可能性の中には経営統合も含まれるのか
ホンダ 三部敏宏社長
「上から下まで言えば、可能性としてあると思う」
自動車メーカーの“大型統合”に街の人は…
女性(50代)
「両方、大手なのにどうしてかなって。代表的な車、『日産・ホンダといえば』みたいな、そういうのはそのまま引き継ぐのか、名前とか変わっちゃうのか」
母親(40代)
「お値段もちょっと安くなると、いろんな面で良くなるんじゃないのかなと」
娘(小学4年生)
「(日産・ホンダ)一緒になったら買ってみたい」
従業員からは不安の声も…海外企業の“買収提案”が後押しか
このニュースを受け、日産の株は取引開始直後から、大きく値上がりし、一時ストップ高に。前の日から20%あまり高い417円で取り引きを終えました。
一方で、日産の従業員からはこんな声が…
日産の従業員
「ちょっとどうなるのかなという…もしホンダさんの傘下になってしまうのは、さみしいかな。社風がぜんぜん違うと思うので」
経営統合の一因となったのが、日産の業績不振です。
アメリカのテスラや中国の自動車メーカーとの競争が激化するなか、日産は上半期の決算で、最終的な利益が9割以上減少。全世界で9000人の人員削減を発表するなど、業績の立て直しが差し迫った課題となっていました。
さらに、経営統合を後押ししたのが、海外企業による買収の動きです。
経済部 梅田翔太郎 記者
「台湾のメーカーのホンハイという会社が日産に対して買収をアプローチしてきた。そういったところから、ホンダが今回アクセルを踏んで、統合というふうに一気に進んでいったと」
日本のみならず、世界経済にも影響を与える今回の“大型統合”。私たちには、どのような影響があるのでしょうか?
梅田翔太郎 記者
「両社で組むことによってコスト削減していこう、そういった狙いの中で、(車の)購入代金が下がるとか、そういったところにもつながってくる。あえて経営統合のデメリットをいうのであれば、ホンダも日産も固定のファンがいます。それが経営統合によって失われるようなことがあると、顧客が離れていってしまうこともあり得るかもしれない」