夏に車内で犬をお留守番させるのは絶対NG!という認識は浸透してきましたが、気温が下がる冬なら大丈夫なのでしょうか?冬であっても気を付けるべき点やリスクは存在します。注意深く見ていきましょう。
冬の車内温度はどのくらい?
愛犬と一緒のお出かけは楽しいですよね。外出の支度をすると嬉しくてそわそわし始める犬もいるのではないでしょうかか。
夏の暑い時期は車内に犬を放置してはいけない、という認識は広がってきていますし、犬を飼っている飼い主さんであれば当然行っていないと思います。
では、気温が下がる冬の時期は犬を車内で留守番させても平気なのでしょうか?冬の車内温度はどのように変化するのでしょうか?
JAFが行った検証によると、外気温-10.2℃、車内温度25℃の状態でエンジンを切ると、車内温度はわずか1時間で15℃下がり、3時間後には氷点下まで下がりました。気温の下がり幅は外気温による影響もありますが、思っている以上にみるみる下がっていくのです。
1時間という時間感覚は「少し買い物長くなったな…」と感じる程度でしょう。そのわずかな間に車内温度は格段に低くなっているのです。
冬に車内で犬を留守番させる注意点やリスク
犬を車内で留守番させることは、暑い夏に比べると冬の方がリスクは低いことは事実ですが一定の危険性は伴います。
寒い冬にどうしても車で犬を留守番させなければならない場合の注意すべき点、そして理解すべきリスクを解説します。
1.冷えからくる低体温症
前述のように、エンジンを切った車内はグングンと気温が下がっていきます。確実に数分程度で戻ってこられるのであれば良いですが、30分、1時間…と時間が過ぎていくとあっという間に車内は冷蔵庫と同程度の温度に。
寒い場所に長時間いると低体温症を引き起こす可能性があります。犬の平熱は38℃~39℃前後ですが低体温症になると体温は37.5℃程度より低くなり、様々な症状があらわれます。
体の震えから始まり不整脈、呼吸が早くなり体温28℃以下の重度となると呼吸困難など重篤な状態になることも。
低体温症とまではいかなくとも、体が冷えることによりお腹を壊すことも十分に考えられます。
2.事故や連れ去りの危険性
犬を車内にフリーで残していると実は様々なトラブルが起こる可能性があります。自由に動けてしまうので前後左右に座席を行き来したり、何かのボタンを押してしまうかもしれません。狭い車内を動き回ればケガのリスクも生じます。
さらに、犬の連れ去りも起こっています。連れ去りやすい人気の小型犬は転売目的で誘拐されることもあるのです。
鍵を壊す、窓を割るという乱暴な手段から、金品を狙った車上荒らしに入った犯人がたまたま車内で留守番していた犬をそのまま連れ去ったという事例もあります。
3.持病の悪化
寒い車内で長時間いることにより、元々の持病が悪化する可能性があります。例えば僧帽弁閉鎖不全症という心臓病は、冬の冷たく乾いた空気により心臓に負担がかかり、咳や呼吸困難などの症状が悪化する場合も。
また、過去に関節を痛めたことのある犬は、寒さで血流が低下すると関節に痛みが出やすくなります。ほかにも寒さで背中の筋肉がこわばると、椎間板ヘルニアを発症しやすくなるなど健康トラブルを引き起こしかねません。
4.犬種や年齢
犬種や年齢も寒さの耐性に大いに関係してきます。暑い国が原産の犬種や、被毛がシングルコートの犬種は寒さに弱いことは想像に難くありません。
また、身体が未発達の子犬や免疫力が低下しているシニア犬は、より寒さを感じやすいため体調を崩しがちです。
やむを得ず車内で留守番させる場合は、洋服を着せたうえで毛布やペット用湯たんぽを用意してあげましょう。
まとめ
冬の車内は夏場より様々なリスクが軽減されることは確かですが、寒さゆえの体調不良や思いもよらないトラブルが巻き起こる可能性は十分にあります。
どうしても短い時間だけ留守番をしてもらうときには、愛犬の年齢や特性を考慮して万全の寒さ対策をしてください。
愛犬と車で出かけるときは家族の誰か一人は一緒に車内に残るなどして、愛犬をひとりきりで留守番させないための対応をしましょう。
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