人々に崇められる『猫の神様』3選 日本のみならず、海外でも猫が神として愛される理由

2025-01-09 16:00

古くから人は動物たちを神と崇め、数多くの神話を残してきました。世界各地に広がる「猫の神様」もまた、その流れを汲むものです。今回は、海外、国内を含む3つの「猫の神様」を紹介します。みなさんの好奇心を刺激できれば幸いです。

1.古代エジプト人を守ったバステト神

バステト像

世界で最も有名な「猫の神様」と言えば、エジプト神話に登場するバステト神でしょう。バステト神は、不死の象徴・太陽神ラーの娘、妹、妻として、現在まで語り継がれています。

イギリス・大英博物館収蔵のバステト像を見ればわかるように、姿かたちも猫そのものです。今の猫種でたとえれば、まるでアビシニアンのごとく、大きめの耳、スラッとした手足と胴体を持っています。

古代エジプトでは、「ブバスティス(バステトの家)」という名の都市が作られ、亡くなった猫たちは、地位の高い人しか許されなかった埋葬法、ミイラによって手厚く埋葬されました。

この2つの史実からも、当時の人びとがいかにバステト神を崇拝し、その化身のような猫たちを大事にしていたかがわかります。

古代エジプト人にとって、バステト神は、多産のシンボルであり、悪霊や病気から人びとを守る存在でした。象徴として描かれた背景には、穀物などの食料を荒らすネズミや害虫を駆除し、子猫をたくさん産む、という猫の実際的な生態が関係しています。

2.「猫の島」、宮城県・田代島の猫神社

田代島の猫神社

一転して、日本国内にも、「猫の神様」を祀った神社が存在します。その代表的なものが、宮城県・田代島にある「猫神社」です。「猫の島」として有名で、愛猫家なら一度は訪れてみたいスポットかもしれません。

「猫の島」と言われる通り、田代島は、島民よりも猫のほうが多い島です。陸から遠く離れた小さな島でなぜ「猫の神様」が祀られるようになったのか、実は、島の歴史が深く関わっています。

田代島では、その昔、養蚕が盛んでした。養蚕とは、カイコという虫の繭から生糸を紡ぎ出す生業です。卵から繭玉に至るまで、カイコを食べ尽くすネズミは、養蚕にとって天敵。カイコをネズミから守るために、島民たちは猫を飼うようになりました。

同時に、田代島の漁師たちには、猫の行動(雨が近づくと顔を洗うなど)に基づいて、天気の変化を見極めてきた歴史があります。今で言う天気予報の代わりのようなものです。

そういった要素を土台にして、漁具制作時の不慮の事故で亡くした猫を弔うために、ひとりの漁師さんが島内に神社を建てました。それが、現在に続く「猫神社」の始まりです。ちなみに、神社建立以降、島は好漁に恵まれ続けたと言います。

田代島の「猫神社」もまた、古代エジプトのバステト神と同様に、人びとの暮らしに猫が密接に関わり合っていたからこそ、現在でも、豊漁の守り神として崇められているわけです。

3.願掛け成就の猫神さん、徳島市八万町の「王子神社」

神社の猫

3つ目に紹介するのは、徳島市八万町にある「王子神社」です。主祭神は、天津日子根命で、商売繁盛、開運合格のご利益があるとして、地元の方たちを中心に親しまれています。

現在、「王子神社」が別名「猫神さん」と呼ばれているのは、約300年前にあった実際の出来事がきっかけとなっています。

亡くなった夫の借金問題で濡れ衣を着せられた結果、死罪となってしまったお松さんという女性の悲しい物語、俗に言う「阿波の猫騒動」がもとの始まりです。

命を絶たれる前に、お松さんは、飼っていた三毛猫のお玉に対し、無実の罪を画策した当時の富商や奉行への報復を命じます。すると、富商と奉行の家で猫の祟りが起こり、やがて両家は滅亡しました。

のちに、祟りを鎮めるために、お松さんとお玉を、それぞれ「お松大明神」「お玉大明神」に祀ったのが、この「王子神社」です。いわゆる「倍返し」に成功した歴史的いきさつから、今では願掛け成就の「猫神さん」として人気を集めています。

まとめ

猫とバステト像

国内外を問わず、古くから人間は猫に特別な感情を抱いてきました。その一例が、今回紹介した「猫の神様」たちです。ミステリアスで神秘的、獰猛でありながら愛らしさあふれる猫の魅力は、今も昔も変わりません。

現在でも多くの猫飼いさんが、おうちの「愛猫神」を崇めています。その存在は、みなさんそれぞれにあり余るご利益をもたらしてくれるはずです。

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