純血種の猫種の数は、公認されているものだけでも約60種存在します。そのなかから今回は、馴染み深い猫種の意外な原産国や、その猫種ごとの身体的特徴を詳しくご紹介します。全ての国は網羅しきれず、アメリカ・イギリス・ロシアの3ヵ国をピックアップしていますので、入門編としてぜひお楽しみください。
アメリカの純血種2選
1.マンチカン
マンチカンは、日本語で「小さい」と訳される「munchkin(マンチキン)」が由来の猫種です。
その名前のとおり、小柄で脚が短く、ちんまりとした見た目が特徴的です。脚が短くなったのは突然変異であり、人為的に手を加えた結果ではありません。
見た目とは裏腹に、筋肉質で骨格もしっかりとしているため、ジャンプや木登りなどの運動能力も備わっています。
日常生活で特に困ることはありませんが、肥満にならないように注意が必要です。
2.オシキャット
アメリカに生息するネコ科動物である「オセロット」に見た目が似ていることから、その名がついたのが、オシキャットです。
実際は、交配にオセロットは全く関係しておらず、シャムとアビシニアンが掛け合わされています。
ヒョウのような斑点模様をしたワイルドな見た目ですが、性格はフレンドリーで甘えん坊というギャップがたまりません。
さらに、しつけをすれば、犬のようにボールをくわえて運ぶこともできるような賢さがあり、その魅力は一言では語りつくせません。
イギリスの純血種2選
3.ブリティッシュショートヘア
世界的に有名な物語である「不思議な国のアリス」に登場するチェシャ猫は、実はブリティッシュ・ショートヘアがモデルになっています。
丸くて大きな顔、どっしりとしたわがままボディが、とてもチャーミングです。
およそ2000年前に、古代ローマ帝国からイギリスに持ち込まれたのが起源とされ、イギリスを代表する猫種と言えるでしょう。
この猫種の仲間として「ブリティッシュ・ロングヘア」がいますが、その違いは毛の長さであり、両者ともに愛されています。
4.ヒマラヤン
ヒマラヤンという名前からは、アジアのヒマラヤ地方が原産国とイメージする方も多いのではないでしょうか?
しかし、実際には「ヒマラヤンウサギ」に見た目が似ているのが命名の理由であり、イギリス生まれの猫種です。
そんなヒマラヤンは、なんと約30年の長い年月をかけて、人為的に発生しました。
ペルシャとシャムが交配されているため、ペルシャの持ち味である長毛と、シャムらしいポイントカラーの両方を持っているのが大きな特徴です。
ロシアの純血種2選
5.ロシアンブルー
ロシアンブルーは「ロシアの青」と直訳されますが、実際は青色ではありません。
しかし、猫の被毛の色には専門的な呼び方があり、青みがかった灰色は「ブルー」と分類されるのです。
美しく可憐な見た目をしており、微笑んでいるかのように見える口元は「ロシアンスマイル」と呼ばれ、親しまれています。
静かであまり鳴かない傾向がありますが、犬のような忠誠心も持ち合わせており、飼い主にはよく甘えてくれるでしょう。
6.サイベリアン
サイベリアンは、ロシアのシベリア地方が発祥とされ、シベリアの英語読みである「Siberia(サイベリア)」が由来の猫種です。
厚みのある毛並みが特徴的で、なんと3層に分かれて構成されている個体も存在します。
一番上のオーバーコート(上毛)は水をはじき、アンダーコート(下毛)は、その密度の高さから体温をしっかり閉じ込めます。
最下層の被毛は、アンダーコートよりも短い毛で覆われていて、極寒の地に合わせた体のつくりをしていると言えるでしょう。
まとめ
本記事では、世界の純血種として、アメリカ・イギリス・ロシアの3ヵ国の猫種をご紹介しました。
「ロシアン」「サイベリアン」「ブリティッシュ」のように、原産国が名前に入っている猫種は珍しくありません。
しかし、なかには「ヒマラヤン」のような、その命名と実際の原産国のギャップに驚かされる場合もあります。
それぞれの特徴や背景を知ることで、人々に長く愛される理由も改めて感じられそうです。
さらに、これらの猫種の正しい知識を身につけることは、今後も純血種を守っていくための取り組みにもつながるでしょう。
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