人気グループ NEWSのメンバーで、作家の加藤シゲアキさんが、作家仲間の小川哲さん、今村翔吾さん(リモート参加)と共に、能登半島応援チャリティー小説「あえのがたり」発売記念会見に登壇しました。
【写真を見る】【加藤シゲアキ】 “直木賞落選時「メッチャ落ち込んでいた」” 同僚作家のイジリに苦笑い 能登半島応援チャリティ小説「あえのがたり」
今作は昨年1月の直木賞選考会をきっかけに企画がスタート。同世代の3人の他、朝井リョウさん、麻布競馬場さん、荒木あかねさん、今村昌弘さん、佐藤究さん、蝉谷めぐ実さん、柚木麻子さんら10人の豪華作家陣によるアンソロジーとなっています。参加著者の印税相当額と、売上利益相当額は能登半島の復興支援のために寄付される予定です。
「あえのがたり」とは、能登地方に伝わる伝統儀礼「あえのこと」(あえ=おもてなし、こと=祭り)から発想されました。
30年前には阪神・淡路大震災を経験した過去を持つ加藤さんは昨年、直木賞候補「なれのはて」選考会の「待ち会」、およびその後の「残念会」で同席した今村さん、小川さんに、“作家として力になれることはないか?小説で被災地を盛り上げたり、支えたりすることはできないだろうか”と、直近で発生した能登半島地震について話を持ち掛け、賛同を得た事から企画がスタートしたことを説明。
東日本大震災のボランティアにも参加していた今村さんも“僕も何かしたいと思っていました。作家になってからなにかをしたことがなかった。作家ならではのことができる、初めての機会になる。文壇のなかでは若い部類に入るので、現役世代の作家が何かやることには意味があると思います”と語りました。
発起人の一人、小川さんは“残念会に行ったとき、加藤さん本人は否定するんですけど、メッチャ落ち込んでいて、編集者も困るぐらい重い空気が流れていて(笑)”とイジると、加藤さんは“落ち込んだフリをしていただけ”と、苦笑いで否定。
続けて小川さんは“僕も落ちたことありますが、落ちたからこそ何かできることをするのが一番、精神的には良いというか前向きになれるので、企画に賛同をしたうえで、まず加藤さん自身のチャリティーと言うか、直木賞に落ちたからこそ、この仕事が出来たという風に胸を張れるといいなという気持ちも、その時はありましたね”と笑わせました。
昨年8月には実際に被災地への取材にも訪れた加藤さん。“被災地に話を聞きに行くのは、逆に迷惑をかけてしまうのでは”という葛藤を抱えながらも“それでも書籍を求めている人はいる。たくさんではないけど書店に足を運んでいる人がいることは、書く意味もあるのかなと。ただ寄付するのではなく、産業という意味で力になりたいと思った。チャリティー小説という形で買ったり、読んだりしてくだされば、書店という意味の産業を盛り上げることができるのかなと思いました”と、意図を明かしました。
ただ、“どこかで意義を感じながらも、僕のエゴなのではないか、小説を出す意味はあるのかという葛藤があって。でもやらないよりはやったほうがいい。なにより人の心を、物語を通して、揺さぶることができるのではないか?それは小説の力ではないか”と訴えました。
そして“どれも本当におもしろく趣向が凝らされていてバラエティー豊か。チャリティーアンソロジーということを除いてもすごく面白い。かたい作品だと思って手を伸ばさない方もいるかなと思うんですけど、気軽に手にとって読んでもらえるとうれしい、すばらしい短編集だと思います”と力強くアピールしていました。
【担当:芸能情報ステーション】