「安倍派幹部におかしいと申し上げた」キックバックめぐり金庫番が問題意識を進言 参考人聴取で明らかに【サンデーモーニング】

新年度予算をめぐる与野党の駆け引きが大詰めを迎えるなか、木曜日、自⺠党・安倍派の金庫番に対し行われた異例の参考人聴取では、裏金をめぐり新たな証言が飛び出しました。
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予算大詰め 裏金聴取で金庫番が新証言
2月24日(月)、地元・鳥取県の名産「松葉ガニ」やエビをつかった海鮮丼を頬張る石破総理。
石破総理は食レポにも挑戦しました。
石破茂 総理大臣
「この海鮮丼は感動的においしいです」
地元の食材を積極的にアピールした石破総理。
2月28日(金)には、裏金問題にも積極的に向き合わざるを得ない情勢に…
立憲民主党 野田佳彦 代表
「『新しい事実が出てくれば再調査する』と総理は仰った。間違いなく新しい事実だ」
石破総理
「真相が解明される努力がされることには、全面的に協力をしていかなければならない」
野田代表が指摘した「新しい事実」。
それは、2月27日(木)前日に行われた参考人聴取で明らかになりました。
異例の非公開で聴取を受けたのは、自民党・安倍派の元会計責任者で有罪が確定している松本淳一郎氏。
聴取の内容は、安住予算委員長が説明しました。
立憲民主党 安住淳 予算委員長
「松本さんとしては言えるだけのことはしっかり言っていただいて、あとは自ら議員が話すべきだとまで言っている」
今回の聴取で明らかになったのは、まず、安倍派幹部への「進言」。
政治資金パーティの収入をキックバックして、裏金が作られるシステムについて、
松本氏は、幹部に対しこう伝えていました。
立憲 安住 予算委員長
「(松本氏は)『どうやってもおかしいと思って、私はおかしいと申し上げた』また、『幹部に進言したのはいつか』と時期を尋ねたところ『安倍元総理が亡くなる前』と答えた」
安倍派では、キックバックについて、一旦やめることを決めていながら安倍元総理の死後に再開。
しかし、それより前に松本氏は、問題意識を伝えていたといいます。
立憲・安住氏「幹部議員の責任は重い」
立憲 安住 予算委員長
「そういう人(松本氏)が罪に問われて、進言されたのに(幹部議員が)無視して、安倍元会長が亡くなった後に、堂々と(キックバックを)再開するというのは、幹部議員の責任は重いのではないかと思う」
さらに松本氏は、2022年8月に4人の幹部が参加した会合でキックバックの再開が決まったことも証言。
その会合の前に再開を求めていた幹部については、「現職ではない」と回答したため、塩谷氏と下村氏の2人に絞られたのです。
新たな証言を受けて取材に応じた下村氏は、「再開を求める安倍派内の声を、松本氏に伝えた」と明かしました。ただ、「キックバックを復活しろと言ったわけではない」と釈明しています。
一方、キックバックの再開を決めたとされる、幹部会合に参加していた、西村議員と世耕議員もコメントを発表し、その会合では再開が決まっていないと主張。
松本氏の証言とは食い違う状況に、翌日の国会では・・・
立憲民主党 奥野総一郎 議員
「幹部の間でも違法性の認識が共有されていたとしても不思議ではない。きちんと再調査すべきではないか」
共産党 田村貴昭 議員
「安倍派の幹部だった方々に聞き取りして、裏金作りの全容を解明する責任がある」
石破総理
「自民党として真実が解明されるようにさらなる努力が必要だという認識は持っている」
野党側は、安倍派元幹部4人の参考人招致を要求。「予算案の採決に応じる前提」だと主張します。
予算案は維新と合意 一方、立憲と国民民主党は…
その予算審議が大詰めを迎えるなか、野党との協議では、“明暗”が分かれました。
日本維新の会 吉村洋文 代表
「本予算についても賛成をして、全体を前に進めていく」
少数与党だけでは成立させられない予算案に「賛成」の意思を示したのは「維新」。
“教育無償化”の協議が合意に達したのです。
これで最大の懸案だった予算については、成立のめどが立った形。その一方で…
国民民主党 古川元久 代表代行
「当然、この予算には賛成できない」
“年収の壁”問題で、与党の譲歩を引き出せなかった国民民主は、予算案に反対する考えを表明。
そんな中、 批判の声を上げているのは最大野党の立憲民主党です。
立憲民主党 野田佳彦 代表
「なめんなよと・・・」
月曜に開かれた党大会では…
立憲 野田 代表
「戦闘モードに入りますよ。国会を動かすのは、議席の数です。それを生かさなければいけない局面かもしれません」
立憲は、3.8兆円の財源を示した予算の修正案を提出。与党側からゼロ回答が続くなか、攻勢を強める構えです。